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外資系ラグジュアリーブランドと並ぶ事ができたGENTLE MONSTERの戦略【韓国トレンドの裏事情vol.2 後編】

ニューヨークを拠点に、15年以上にもわたってファッション、ビューティーブランドのブランディングや広告キャンペーンのディレクションに携ってきたジョエル・キンベック氏。
日本人の母親とアメリカ生まれの韓国人の父親を持ち、日本、アメリカ、韓国を行き来しながら各国の文化に触れて育ったバックボーンと、仕事での経験をベースに、誰もが知っている韓国トレンドを深堀り解説します。

前回はラグジュアリーブランドとのコラボレーションで常に注目を浴びる、あのアイウエアブランドの創業からの動きを振り返りました。後編では韓国ブランドから世界的ブランドへ存在感を増していったビジネス戦略を考察します。

構成/藤田麗子

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外資からの出資を足掛かりにFENDIとのコラボで新たなフェーズへ

GENTLE MONSTERを擁するIICOMBINEDは、2017年にシンガポールに本社があるLVMHのLouis Vuitton社のLキャタルトン(前・Lキャピタルアジア)から700億ウォンの出資を受け、大きく話題になりました。その結果、2年後に同じLVMHグループであるFENDIとのコラボ「GENTLE FENDI」が実現することになります。ロンドンのセルフリッジズやハロッズなどにGENTLE MONSTERの商品だけを取り扱うブースができ、グローバルブランドというイメージが韓国内で育っていきました。

これを受けて、GENTLE MONSTERはEssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ。旧LUXOTTICA/ルックスオティカ)という世界的に有名なイタリア系のアイウェアメーカーからも出資を受けることに成功します。CHANELやBALENCIAGAやRay-Ban、PRADAなどハイブランドのサングラスやメガネは、実はすべてEssilorLuxotticaが手掛けています。
こうした流れからIICOMBINEDは株式上場(新規株式公開・IPO)の代わりにこのEssilorLuxotticaにブランドを売却するのではないか、という噂も根強くあります。ただし、IICOMBINEDとしてはTAMBURINSなどを含む全ブランドを売りたいでしょうが、EssilorLuxotticaはアイウェア以外のブランドには興味がないでしょうね。

2017年に発売になったオランダの世界的インテリアデザインブランド「Moooi(モーイ)」とのコラボ商品。ブランド初期からこうしたコラボレーションを複数展開してきた。Photo by Ilya S. Savenok/Getty Images for Surface
2017年に発売になったオランダの世界的インテリアデザインブランド「Moooi(モーイ)」とのコラボ商品。ブランド初期からこうしたコラボレーションを複数展開してきた。Photo by Ilya S. Savenok/Getty Images for Surface

グローバル展開を加速させたBLACKPINKジェニー

BLACKPINKのジェニーは2020年以降、GENTLE MONSTERとの4回のコラボをはじめ、コスメブランドのTAMBURINSとは3回、さらにデザートブランドのNUDAKEともコラボを果たし、IICOMBINEDの顔となりました。

2022年には、“GENTLE MONSTERとジェニーが想像したファンタジーの世界”というコンセプトのゲーム「Gentle Garden」がリリースから1日で40万ダウンロードを突破。翌日にはApp StoreのトップAppランキングで全世界1位を獲得し、アイウェアブランドがリリースしたモバイルゲームとしては異例の成功を収めました。

ジェニーとの契約は2025年に終了し、現在はStray Kidsのフィリックスやaespaのカリナがアイコンとなっています。IICOMBINEDがフィリックスを起用した理由には、彼がキャンペーンモデルを務めていたATiiSSU(2025年5月ローンチ)というヘッドウェアのブランドをブームアップする狙いもあったと思います。

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ジョエル・キンベック(JOEL KIMBECK)

 英ゴールドスミス・カレッジの大学院でメディアを専攻。広告企画会社勤務を経て2010年に独立し、ブランディングエージェンシー「STUDIO HANSOME」を設立する。ニューヨークを拠点に、ソウル、東京、パリ、ミラノを行き来してファッション、ビューティー、ライフスタイルのブランディングを手がけるクリエイティブ・ディレクター。
 LVMHグループ傘下のブランドをはじめ、モスキーノ、VERA WANG、メゾンキツネ、ラフシモンズ、ロベルトカヴァリ、TUMI、カルバン・クラインなどのファッションブランド、ロレアルグループ傘下やアモーレパシフィック傘下のビューティーブランドにおいて、ブランディング全般を担ってきた。 
 韓国の『W』『VOGUE』『GQ』、『月刊デザイン』『東亜日報』『週刊東亜』など多くの媒体でコラムを執筆中。著書に『ファッションミューズ』(2016年)、『FRESHNESS CODE』(2021年)がある。韓国人デザイナーの海外進出を支援する韓国政府のプロジェクト「コンセプトコリア」のコンサルタントとしても活躍。
@studiohandsome
https://www.studiohandsome.com/


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