よみタイ

ダルビッシュ有投手も愛用。自宅で簡単にできる「セルフお灸」に挑戦してみた

 では、お灸はどこに売っているんだい? と探してみたところ、近所のドラッグストアにわんさかと売られていた。もう何回書いたかわからないが、ドラッグストアにはアレもコレも何でも売っている。
 せんねん灸にもいろいろとバリエーションがあるようで、発生する熱の強さで数種類、室内で使うことを考慮した煙がまったく出ないタイプ、火を使わずにツボの上に貼り付けるだけのシールタイプ、煙の匂いが苦手な人のためにオレンジやピーチといったフルーツのフレーバーが立ち昇るお灸まで売られていた。伝統を守ることも大切だが、時代に合わせてそのあり方を柔軟に変化させるせんねん灸、まことにおそるべし。

 せんねん灸以外にもさまざまな会社のお灸が多種多様に販売されていたのだが、今回は一般的な「せんねん灸オフ にんにくきゅう 近江」と煙が出ないタイプの「せんねん灸の奇跡」を購入。初心者は熱量が少ないものから始めろとのことだったが、熱量が一番高い近江を迷わずセレクト。いつまで生きられるかわからない一度きりの人生、微熱なんかじゃ満足できねえよ。どうせなら激熱からはじめよう。

この2つを買ってきました。
この2つを買ってきました。
箱に書かれた熱量の表。
箱に書かれた熱量の表。

 前もって準備しておくものとしては、せんねん灸、ライター(「チャッカマン」が使いやすいらしい)、ツボの位置をマーキングするサインペン、使い終わったお灸を処分するための水を浸したお皿などである。なんだか花火をする前の準備みたいだ。胸のワクワクがとんでもないことになってきた。

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新刊紹介

爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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