よみタイ

自分のことに時間を使うことへのぬぐい切れない罪悪感

あの時、頑張り続けてよかった

5年後の今、思うこと。
怒りに任せて書いていることがまるわかり。
5年前。30歳か。
今、娘5歳。私35歳。

変わらず働いているし、働きながら大学院も通っちまった。
自分の本も出版した。

先日、MBAの学校説明会であるMBAエキスポというイベントでもお話をさせていただく機会があったのだが、子育て中のママがたくさん来てくださった。
小さなお子さん連れのママもいた。
旦那様の意識も変わっているのだろうし、女性が、しかも、子育て中のママでもMBA取得という選択肢ができつつあるのだ。

もはや「子育てしながら、働く」だけでなく、プラスアルファで、自分の価値を高めようとする時代になっているのかもしれない。

時代は変わりつつある。
娘が0歳の時は、「世間の男に負けられない」とか、正直、子供じみた理由で頑張っていたところはある。
我ながら幼い。
しかし、あの時、頑張り続けてよかった。
今、私が頑張る理由は「家族を守るため」である。
MBAを取得したのだって、働き続けたのだって、いつ何があっても家族を守れると自信になっている。

そんなこといったって育児をしながら女性が働くことは、まだまだ大変な世の中である。
今でもたまに、心無いことをいわれることもあるが5年前のような怒りは起きない。
なぜか。
辛い時もあったけど、そこで投げ出さず、守るべきもののために走っていたら、自分自身も成長して、今、人生楽しくて仕方ないからだ。
子どもと一緒にいる時間よりも、将来のためのお金を稼ぐことを選択した私。
正しいとか間違っているとかではなく、自分自身の選択に今のところ納得している。個々それぞれに様々な状況があるわけで、誰にでも当てはまるわけでもないとも思うが。
ただ私は、お金がたまっていく通帳を見るたびに、娘の将来の選択肢が増えていくという、なにものにも代えがたい安心感を得ている。

しんどくても育児をしながら仕事を続ける当初の目的は、「家族を守るため」一点集中だったが、副産物として自分で自分の人生の舵取りをする楽しさを知りつつある。
明日ここへ行こう、これを食べよう、この服を買おうと、稼ぎ手(夫)にお伺いを立てずに、「自分で決定する」自由を知った。

日本は現在(2020年3月時点)、大混乱である。今後、経済もどうなるか見えない状況である。
どんな状況にあっても家族を支えることができるよう働きつづけてきた。とはいっても、この予期せぬ状況に、不安はぬぐえない。
いいことも大変なことも、予期せぬことが起こるのが人生であると思っているが、強気な私だって悩むこともある。ただ、悩んで立ち止まってはもったいない。人間なので考えることはやめられないので、動きながら悩みつづけようと思う。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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