2026.6.1
学ぶ単語数は親世代の2.5倍! 高度化する中学英語で「中1ギャップ」が起こる理由と、小学生からすぐにできる2つの準備
前回までは「算数編」と「国語編」をお送りしました。
今回からは新たな教科、「英語編」がスタートします。
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2020年度から小学校5・6年生では英語が正式教科に
家庭教師を始めてから20年以上経ちますが、その間、英語ほど生徒を取り巻く環境が変わった教科はありません。当時は、「中学生になって初めて英語に触れた」という生徒も多く、「bとdの区別が難しい」という子たちもいました。それでも、今の子どもたちほど、中学校の英語に苦しんでいなかったのです。今、まさに過渡期にある中学校の英語教育において、ゆっくり学ぶ子どもたちが安心して英語を学ぶために、どんな準備をしていけばいいか。第一回目の今回は「中学英語の現状と課題、今からすぐにできる準備」、次回は「ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を乗り切るための戦略的処方箋」についてお届けします。
英語教育に関する環境は、大きく様変わりしています。中でも、近年一番大きな変革となったのは、2016年に行われた学習指導要領の改定です。学習指導要領は、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準で、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、また、時代に即した教育が行われるようにおよそ10年に1度改訂されており、小学校では2020年度から中学校では2021年度からその改定に基づいた教育が実施されています。この改定により、小学校の英語は、それまで5・6年生で「外国語活動」として親しむ程度でしたが、改定後は、外国語活動の開始時期が3年生に早められ、5・6年生では正式な「教科」として取り組むことになりました。小学校でも英語の教科書を使うようになったのです。

親世代の2.5倍に増加した英単語数など中学英語は高度化
小学校での英語学習の開始を踏まえ、中学の英語も大きく変化しました。「授業は英語で行うことを基本とする」ことが原則となり、語彙数は増加し、内容も高度化しています。また、自分の考えを発表したり、積極的にコミュニケーションをとったりする姿勢も、これまで以上に重視されるようになりました。
「語彙数の増加」については、実は、親世代の2.5倍にもなっているのです。1993年4月施行の中学校学習指導要領に基づき1993年から1994年の教育課程で触れていた単語数は1000語程度だったのに対し、現行2020年度から施行されている教育課程で触れている単語数は1600~1800語程度、新たに始まった小学校での英語教課程で触れる単語数600~700語程度と合わせると、実に2200~2500語程度と大幅に増えています。
さらに深刻なのが、内容の高度化です。私が家庭教師を始めた当初は、中1の英語の教科書といえば、アルファベットの読み方・書き方から始まり、「I am Mai.」「You are Ken.」など、be動詞の使い方を学習し、複数形の使い方、一般動詞の使い方を学習し、夏休みまでに定着させるというカリキュラムが定番でした。教科書の例文は、ストーリーよりも文法を学ぶことに主眼を置いて構成されていました。良くも悪くも、文法に重きが置かれた「読むこと・書くこと」に特化した学習であり、その延長線上に長文読解・英作文の配点が高い高校入試・大学入試がありました。
一方で、現行はどうなっているのか。公立中学校で使われている英語の教科書(中1)の最初の単元の一例を紹介します。
「Hello, everyone. I’m Hanako. Call me Hana. I like Japanese food. I often drink green tea, too.」
「Do you play baseball, too? No, I don’t. I just watch it. How about tennis? 」
「You speak Japanese. Yes, just a little. I study it every day, but I can’t write kanji.」
単語の難易度もさることながら、これらの英文を英文法に照らし合わせると、be動詞、一般動詞、代名詞、疑問詞、助動詞(can)を使った例文がいっぺんに掲載されている形になっています。
また、中2・中3の教科書を見ると、それまで高校で学習していた原形不定詞や仮定法なども学習範囲となっており、社会的な課題を題材としたストーリーとも相まって、学習内容は高度化しています。
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