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東京五輪で6回目の出場。飛び込み寺内健は、「生きざま」と「生きがい」を1.6秒に込める!

ファッションと音楽という「生きがい」が、競技へのエネルギーになる。

“飛び込み道”に邁進する姿をこうやって記すと周りからすれば息苦しい日々だと思われるかもしれない。

競技に打ち込む一方で、競技を離れてリラックスすることも彼は忘れない。それが「ファッションと音楽」と打ち明ける。

身に着けるものに人一倍のこだわりを持ち、試合前の集中を呼ぶ音楽はプライベートでは最も気持ちを解放してくれるものになる。

「ファッションや音楽は自分にとって生きがいって言うんですかね。一瞬でも競技を忘れられる時間になっている。でも自分のなかに取り込んでいくと“また練習頑張ろう”って思えるんです。競技のほかにも自分の居場所があるというのは、凄くエネルギーにもなる」

趣味を通じて知り合った仲間も大勢いる。彼らの応援が励みにもなっているという。

彼が大切にする「生きがい」。
それはすなわち人が生きていくための張り合い。

39歳のアスリート、寺内健は“今が旬”である。
一瞬の勝負に向かう「生きざま」と「生きがい」が、こんなにも太く結びついているのだから。
 
 
第2回に続く)

profile
てらうち・けん/1980年8月7日生まれ、兵庫県出身。ミキハウス所属。
地元のJSS宝塚スイミングスクールで、生後7か月から水泳を始め、飛び込みに転身。中2で日本選手権、高飛び込み史上最年少初優勝。96年、高校1年でアトランタオリンピックに出場するなど、飛び込み競技の第一人者。2000年、シドニーオリンピックでは、高飛び込みで5位、3m飛び板飛び込みで8位入賞。01年、世界選手権の3m飛び板飛び込みで銅メダル、04年ワールドGPカナダ大会で国際大会初優勝など活躍。09年、現役引退。スポーツメーカーでのサラリーマン生活を経て、11年復帰。来年の東京オリンピックで6大会目の出場を果たす。
その他最新情報は本人公式ツイッターでチェック! ◆https://twitter.com/terauchiken

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新刊紹介

二宮寿朗

にのみや・としお●スポーツライター。1972年、愛媛県生まれ。日本大学卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社し、格闘技、ラグビー、ボクシング、サッカーなどを担当。退社後、文藝春秋「Number」の編集者を経て独立。様々な現場取材で培った観察眼と対象に迫る確かな筆致には定評がある。著書に「松田直樹を忘れない」(三栄書房)、「サッカー日本代表勝つ準備」(実業之日本社、北條聡氏との共著)、「中村俊輔 サッカー覚書」(文藝春秋、共著)など。現在、Number WEBにて「サムライブル―の原材料」(不定期)を好評連載中。

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