2019.11.1
焼肉を追求すれば必ずや到達するハラミ好きの聖地
焼肉の美味しさとは何か。
そんな事を日々考えながら過ごしているのだが、その答えの一つを教えてくれるお店が恵比寿にある。
それが恵比寿にある【虎の穴】だ。
虎の穴をご存じの方は多いだろう。
20年以上前には西麻布に店舗があり、焼肉界の風雲児として、業界人やグルメ達の舌を唸らせていた。
それから長い年月が経ち、現在は西麻布に店舗はないが、ここ恵比寿では変わらず一級品の焼肉が味わえる。
虎の穴の焼肉にはカルビやロースも存在するが、何よりもハラミを抜きには語れない。
都内ではまだあまり知られていなかったハラミを、ここまでメジャーな存在にしたのは間違いなく虎の穴の功績だろう。
サシの入った溶ける部位ではなく、噛み応えがあり、奥歯で噛み締める毎に濃厚な旨味が溢れるハラミの存在を知った焼肉好きは、こぞって西麻布の虎の穴に通ったものだ。
また、火入れに対する追及、コースの流れ、当時はまだ誰も考えていなかった現代焼肉の土台を、開店当時すでに作り上げていた虎の穴。
そして、立ち止まることなく、進化を続ける虎の穴の「今」をぜひ知ってほしい。
高い次元で焼肉を楽しむ強者は、フレンチや日本料理のように焼肉でも流れを楽しむ。
虎の穴の前菜は定番のキムチに始まり、センマイ刺しやコブクロ刺しといった生系に進むが、ポッサムチョッパムは外せない。
豚足、エゴマの葉、ニンニク、唐辛子、そしてアミの塩辛などをサンチュで包んで食べるのだが、幾重にも複雑に重なり合った旨味や香りが不思議なくらい調和がとれていて、得も言われぬ美味しさを作り上げている。