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「ポテンシャルが高く、真剣に楽しめる」大注目の名古屋市長選挙戦、最速&候補者4名の告示日レポート!

多くの政党が推薦する候補者が選挙戦初日に「公開討論会申入書」を手渡す?

 続いて横井利明氏の街頭演説を見に行った。名古屋の大きな商店街・大須を練り歩いていると聞いて候補者を探すと、横井氏は河村陣営が集会を行う公園のそばにいた。手には「公開討論会申入書」と書かれた封筒を持っている。話を聞くと、選挙戦中の4月18日(日)、屋外で河村氏と一対一で公開討論会をしたいと横井氏自ら河村氏に申し入れ書を手渡しに来たのだという。

 元市議長、市議を8期務めたベテランの横井氏は立候補にあたって自民党を離党した。しかし、今回の選挙では、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党から推薦を受けている。共産党も「自主的支援」、社民党愛知県錬も「応援」。連合愛知も横井氏を推薦する。そんなメジャー級の候補者が、選挙戦初日にゲリラ的な活動をしている。激しい。
 横井氏はコロナ対策や景気対策、そして県知事リコール運動の不正署名問題についても河村氏と討論したいのだという。

 公園で準備をしていた河村陣営のスタッフが困った顔で横井氏の元にきた。そこで横井氏は封筒から申入書を取り出し、スタッフの前で読み上げた。河村陣営のスタッフは受け取ったが、実際に討論会に応じるかは現段階ではまだわからない。しかし、公開討論会が行われれば有権者にとってはいい機会になるはずだ。この動きには今後も注目したい。
 申入書を手渡した横井氏は歩いて5分ほどの距離にある予定の場所に移動して街頭演説を行った。目玉政策はコロナ対策の「全市民に商品券2万円」だ。
 演説終了後、横井氏に河村氏が追加で打ち出した「買い物30%キャッシュバック」について聞いた。

「私の政策(全市民に商品券2万円)を評価してもらったと思っています」

 各候補者が政策を掲げる。それに反応して相手候補も新たな政策を打ち出す。結果的に、市民にとって必要な政策が選挙戦の争点になる。選挙の意味はここにある。

河村氏への「公開討論会申入書」を持つ横井利明氏。初日から激しい!(撮影/畠山理仁)
河村氏への「公開討論会申入書」を持つ横井利明氏。初日から激しい!(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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