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第二次安倍政権発足から7年3カ月以上! 首相会見質問の回答から読み解く3つの重要事項

インターネット投票への言及

 首相会見での質疑には、もう一つの大きなポイントがある。それは「有権者が安心して投票できる権利の保障」について、安倍首相が前向きな姿勢を示したことだ。
 インターネット投票の可能性など、投票率を上げるための努力について、首相自らが「国会での議論」を期待する姿勢をみせたことは大きな前進だ。

 これまでにも、総務省が電子投票やインターネット投票などについて研究を重ねている。
 たとえば、総務省が設置した有識者会議「投票環境の向上方策等に関する研究会」が平成30年8月にした報告を見てほしい。
 この報告では、在外投票の利便性向上としてのインターネット投票が取り上げられ、「一定の対応が可能」との見解が示された。
 国会でも活発に議論をすすめ、一日も早く「有権者が安心して投票できる権利」が保障されることを望みたい。

 最後に、私が先日取材した静岡4区補選での開票作業の写真を見てほしい。

 開票所には、使い捨てのゴム手袋やアルコール消毒液が用意されていた。開票作業従事者はマスクを着けていた。民主主義の根幹である選挙を安全に実施するためには、ここまでの努力が必要なのだ。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大の不安が募る中、投票所に足を運んだ有権者、選挙事務に携わった人々、そして、選挙に立候補した候補者や支援者のみなさんには頭の下がる思いだ。
 こうした努力を無駄にしないためにも、有権者一人ひとりが「選挙の大切さ」を認識してほしい。
 選挙は「民主主義の根幹」なのだから。

静岡4区補選での開票場。使い捨ての手袋とマスクをつけているが、なかなか距離を取れない中での作業。(撮影/畠山理仁)
静岡4区補選での開票場。使い捨ての手袋とマスクをつけているが、なかなか距離を取れない中での作業。(撮影/畠山理仁)
使用後のゴム手袋や、アルコール消毒液などが大量にあった開票後の様子。通常の選挙とは絶対的に異なる風景だ。(撮影/畠山理仁)
使用後のゴム手袋や、アルコール消毒液などが大量にあった開票後の様子。通常の選挙とは絶対的に異なる風景だ。(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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