2026.7.6
高度化する中学英語において、英検の学習が「文法を補う学習」と「受験勉強」を同時に進める一石二鳥の方法である理由とは?
前回は「英語編」の前編。高度化する中学英語で「中1ギャップ」が起こる理由と、小学生からすぐにできる2つの準備についてお伝えしました。
今回は後編。「英語」という中学から本格化する教科のため、「ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を乗り切るための戦略的処方箋」をお届けします。
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ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を乗り切るための戦略的処方箋とは?
ゆっくり学ぶ子たちの中には、真ん中から離れた個性を持つ子どもたちもたくさんいます。本来、その個性はどれも素敵なものです。しかし、集団の中などで、みんなの真ん中をとった基準や目標がつくられると、そこに合わせるのが大変なこともあります。
例えば、小さい子どもを旅行に連れていくとき、事前に行き先を調べたり危険なところがないか確認したりして準備すると、安心して出掛けることができます。それと同じように、「難しい」と言われている中学英語も、あらかじめどんな構造になっているのかを知って戦略を立てておけば、安心して十分な結果を得ることができます。
前回は、現在の中学英語が難しくなった背景についてお伝えしました。この連載では、ゆっくり学ぶ子どもたちが安心して中学校生活をスタートできるよう、教科ごとの「小学校6年間の勉強を1年で習得する方法」をご紹介しています。一方で、英語は少し事情が異なります。小学校の英語は「英語に親しむ」ことに重点が置かれており、本格的な「読む・書く」といった英文法を基にした学習は中学校から始まります。そのため、小学校の内容を身につけるだけでなく、中学英語の現状をあらかじめ知り、見通しを持って対応策を準備しておくことが必要です。そこで、英語の後編となる今回は、「ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を乗り切るための戦略的処方箋」をお届けします。

中学英語を安心して乗り切るための3つのポイント
前回お伝えしたように、中学の英語は、学習指導要領の改訂に伴って小学校の英語が教科となったことにより、語彙数が増え内容も高度化しました。また、小学校の英語ではレクリエーションの側面が大きく英文法にはあまり触れませんが、中学では小学校の英語で扱った内容も既習事項として扱われ、その上で文法を基とした長文読解の側面が大きい授業が進んでいきます。これは「中学になったら英語が難しくてわからなくなった」「つまらなくて苦手になった」と発言する子が増える、いわゆる「中1ギャップ」の要因でもあります。そして、中学英語を経て待っているのは、文法を基とした長文読解・英作文の比重が高い高校入試・大学入試です。
このような現状を踏まえると、ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を安心して乗り切るために必要なことは、次の3つに整理できます。
「1:中1ギャップを乗り越えること」
「2:学校の授業を理解し定期テストで得点すること」
「3:高校入試で得点できる英語力を育てること」
この3つのポイントを戦略的に無理なくクリアしていきます。
ここで大事なことは、すべて同時に頑張らず、それぞれ取り組む時期を分けることです。入学前に中1ギャップを乗り越える準備をし、学期中には学校の授業を理解し定期テストで得点することに取り組み、長期休暇に英検を活用しながら文法を補い、高校入試に向けた英語力を育てます。このように、中学3年間を時期ごとに役割分担して考えることで、一度に全てを頑張らなくても、無理なく英語力を積み重ねることできます。
それでは一つひとつ見ていきましょう。
中学英語は学校の授業用の勉強と受験用の勉強とを分けて考える
1つ目の「中1ギャップを乗り越える」ための戦略は、中学入学前に取り組みます。前回のおさらいともなりますが、これから始まる中学の英語の様子をあらかじめ伝え、見通しを与えます。例えば、子どもに「小学校の英語では英語に親しむためにコミュニケーションに重点が置かれていたから、みんなでお話ししたりゲームをしたりすることが多かったけれど、中学からは英語のルールを勉強して自分一人で英語の文章を読んだり書いたり話したりする勉強になるんだよ。でも、一つひとつ丁寧に学んでいけば、怖くないよ。できるようになるよ。そのために少しずつ準備をしていこうね」と、説明してあげて欲しいのです。先が見通せないことに不安を感じやすい子どもたちにとって、「これから何を学ぶのか」「なぜ難しく感じるのか」「どうしたらいいか」を事前に知ることは、大きな安心につながるからです。また、小学校で扱う単語を、単語帳などを使って覚え、覚えたかどうかチェックします。中学で求められる自学自習の練習にもなり、「準備してきたから大丈夫」という安心の材料にもなります。これで、いわゆる「中1ギャップ」をクリアします。
そして、中学入学後の戦略ですが、私が最も伝えたいのは、「中学英語は、学校の授業用の勉強と受験用の勉強とを分けて考える必要がある」ということです。
通常、学校の授業を頑張れば、それが受験勉強につながります。程度の差はあれど、学校の授業を理解していて定期テストの成績が良い子は、模擬試験でも良い点を取ります。しかし、現在の中学英語はそうではありません。「授業用の勉強」と「受験用の勉強」はそれぞれ方法や目的が異なり、別々の対策が必要です。実際に、英検3級を取得していても、授業用の勉強をしていなければ、学校の定期テストでは平均点に届かない子もいます。また、授業用の勉強を頑張って定期テストで得点できていた子でも、受験用の勉強をしないと、模試や入試では思うように得点できないことがあります。
一方で、「授業用の勉強」と「受験用の勉強」を並行して行おうとすると、時間もかかり負担が大きく、逆に受験用の勉強を中3まで放置してしまうと、リカバリーするのにとても大変なので、中1のうちから時期を分けて取り組む必要があります。誤解を恐れずに簡単に言うと、特に中2の終わりまでは、「学期中は授業用の勉強だけを、長期休暇には受験用の勉強を」します。
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