よみタイ

新型コロナウイルス対策で自粛ムード一色の中でも選挙は行われる。今こそ「インターネット投票」の導入を検討すべき?

20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。 前回の第8回では、日本と海外の違いから考える「供託金問題」のお話でした。 今回は、まさにコロナウイルス問題の渦中で行われる選挙と、その状況から考える選挙の未来のお話です。

昨年2019年7月の参議院議員選挙。れいわ新選組の新橋での街頭演説。新型コロナの影響下ではこうした演説も見られない。(撮影/畠山理仁)
昨年2019年7月の参議院議員選挙。れいわ新選組の新橋での街頭演説。新型コロナの影響下ではこうした演説も見られない。(撮影/畠山理仁)

新型コロナの対応は「みなさんの選択」

 私たちは今、困った事態に直面している。世界的に広がる新型コロナウイルスだ。

 2月27日、安倍晋三内閣総理大臣は新型コロナウイルス感染症対策本部で「全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校に、3月2日から春休みまで臨時休校を行うよう要請する」と表明した。

 びっくりした人も多かっただろう。
 急に子どもの学校が休校になったことで、対応を迫られた人もいるだろう。子どもがいなくても、急に休みを取った同僚のカバーに回った人もいるだろう。飲食店や商店では、お客さんが見込めずに営業時間を短縮するところもあった。海外からの観光客が激減した観光地もあった。

 新型コロナウイルスをめぐる「政治決断」は日本社会に大きな影響を与えている。
 改めて意識してほしい。そうした政治決断をする政治家を選んだのは、有権者のみなさんだ。私が連載の第一回で「政治に無関心ではいられても、政治と無関係ではいられない」と書いたのは、こういうことだ。

 もちろん、この政治決断を評価する人もいる。一方で、評価しない人もいる。もし、選挙の結果が違っていれば、「政治決断」の方向性が違っていた可能性もある。
 しかし、現在進行形の政治に「もし」はない。直近の選挙で選ばれた政治家たちが「不測の事態」に対応する。次の選挙があるまではメンバーを変えられない。社会の行方を方向づけるのは、選挙の際に投じられたみなさんの一票であり、捨てられた一票だ。
 政治は「国民の生命」に関わる。まだみなさんは「選挙なんて行かない」と気軽に言えるだろうか。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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