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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

コロナ後、時代遅れになりかけていた“マイカー持ち”が増えるのか!?

コロナ野郎のせいでほとんどの既存産業が強烈なダメージを受けているわけだが、いまはダメでもこれから先のアフター・コロナ/ウィズ・コロナの世界で、大きく巻き返しをはかる可能性があるのが自動車業界。

このところずっと、若者を中心に車離れが進行し、年嵩としかさの人でも賢いヤツほどシェアリングサービスを利用する世の中になりつつあった。
でも、不特定多数と接触することなく、一人で自由にどこへでも出かけられる自動車の価値を見直す人が増えているという。
誰が触ったのかわからないシェアカーよりも、やっぱり自分専用の車を持ちたいという声も多い。
……先日、そんな趣旨の記事を読んだ。

でしょ! でしょ! ほらね!!
「公共交通網が発達した都会に住んでいるなら、マイカーなんて無駄もいいとこ」
「維持費も駐車場代も税金ももったいないでしょ」
「ああそう、それでも車を持ちたいの。バカなんだね」
そんな声を右から左に受け流し、20歳の頃からいっときも欠かすことなくマイカーを持ち続けてきた僕はいま、「ほら見たことか」と奮い立っているのです。

都会に住みながら一人一台持つのはどうなの? 我が家は「あり」に傾いている

そもそも僕らグリズリー世代にとって、車は単なる移動の道具ではなかったはず。
黄昏がフロントグラスを染めて広がる頃、中央フリーウェイで二人して流星になったり、市営グラウンドの駐車場にとめた車の中、あの子と手をつないで寝たり、キラキラと街が光る真夏の宵の口、高速道路を走り彼女と出かけたり……。

車とは人生に彩りを添えるもの、そう信じてきた世代なのだ。
だからね、やっぱりマイカーですよ。

我が家は現在、カー愛がさらに加熱していて、「もう一台、買っちゃおうか」と画策していたりする。
前からそうした願望はあったものの、都会に住みながら車を二台持つなんて時代を逆行しているかな……と二の足を踏んでいたのだが、コロナのおかげで最近は「ありだね。ありありだね」となっているのだ。
やっぱりバカなのかな、一家揃って。

庶民だから、豪華なセカンドカーを買う余裕なんてまったくない。
でも二台目を買うなら少し面白い車がいいなと思っていて、格安の旧型ジムニーなどを狙っているのだ。
オンボロジムニーを自力でちょっとずつイジりながら乗ったら、すごく楽しいだろうな。
いい出物があったら迷わず買っちゃう勢いなので、近い将来このコラムで自慢させてもらうかもしれません。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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