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日本だけでなく世界的ビジネスに成長。韓国コスメ、そのブームの秘密【韓国トレンドの裏事情vol.3 前編】

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商品力の高さに自信がある

K-Beautyは、アメリカの同価格帯のプチプラコスメと比べて品質が高いという点も評価されています。韓国のブランドはスキンケア製品だけでなく、メイクアップ化粧品においても新しいトレンドを次々と生み出してきました。その代表格といえるのがクッションファンデーションです。

これまでアメリカでは、エスティローダーの「ダブル ウェア」のようなリキッドファンデーションが主流でした。しかし韓国のクッションファンデを使ってみると、その手軽さや便利さがよくわかります。価格に対して品質が高く、さらにパッケージも魅力的だからこそ、クチコミで広がっていくのです。

もし単にデザインがかわいいだけで、使い心地が悪かったり肌トラブルが生じたりすれば、すぐに批判が殺到するはずです。SNSマーケティングによる拡散が可能なのも、商品力に自信があるからといえるでしょう。

韓国は国内競争の激しい市場でもあります。多くのブランドの中から消費者に選ばれなければなりません。大手ブランドであっても自社工場を持つ会社は少なく、他社へ製品の製造や開発を委託するOEMやODMによって製品を作っています。そのため、どんな成分をどれだけ配合するのか、どんなフォーミュラにするのかという部分で差別化を図ることになります。

美容成分としてPDRNを入れるのか、CICAを入れるのか、ヒアルロン酸を入れるのか。各ブランドが注目の有効成分を取り入れて商品を作りますが、委託を受けた同じ工場から似たようなトレンド商品が一斉に登場することも少なくありません。

こうした環境では、製品の質が一定以上であることを前提に、デザインやコンセプトが勝負になるわけです。そして韓国市場でヒットすると、それが世界進出のきっかけにもなります。
 
ただし、機能性を重視する中高年層にはまだK-Beautyが浸透していない印象もあります。日本でいえばクレ・ド・ポー ボーテやSK-IIのような高級スキンケアの領域では、韓国ブランドがそこまで認知されていません。実際、日本でもロフトやルミネにはLakaやhinceといった多くの韓国コスメブランドが入っていますが、伊勢丹のような百貨店となるとHERAなどが一部展開している程度です。
こうした状況はアメリカでも似ており、K-Beautyは若い世代を中心に広がりながらも、ラグジュアリー市場ではまだ成長の余地を残しているといえるでしょう。

後編(8月22日 12時半公開予定)へ続く

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ジョエル・キンベック(JOEL KIMBECK)

 英ゴールドスミス・カレッジの大学院でメディアを専攻。広告企画会社勤務を経て2010年に独立し、ブランディングエージェンシー「STUDIO HANSOME」を設立する。ニューヨークを拠点に、ソウル、東京、パリ、ミラノを行き来してファッション、ビューティー、ライフスタイルのブランディングを手がけるクリエイティブ・ディレクター。
 LVMHグループ傘下のブランドをはじめ、モスキーノ、VERA WANG、メゾンキツネ、ラフシモンズ、ロベルトカヴァリ、TUMI、カルバン・クラインなどのファッションブランド、ロレアルグループ傘下やアモーレパシフィック傘下のビューティーブランドにおいて、ブランディング全般を担ってきた。 
 韓国の『W』『VOGUE』『GQ』、『月刊デザイン』『東亜日報』『週刊東亜』など多くの媒体でコラムを執筆中。著書に『ファッションミューズ』(2016年)、『FRESHNESS CODE』(2021年)がある。韓国人デザイナーの海外進出を支援する韓国政府のプロジェクト「コンセプトコリア」のコンサルタントとしても活躍。
@studiohandsome
https://www.studiohandsome.com/


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