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なぜあの韓国アイウエアブランドの店頭には、巨大顔面ロボがあるのか?【韓国トレンドの裏事情vol.2 前編】

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ブランドの世界観を統一してファンを獲得

2025年8月には、東京・青山に続いて、銀座にGENTLE MONSTERの日本2店舗目となるフラッグシップストアがオープンしました。不動産事情もありますが、東京やニューヨークの店舗にあるロボットはそれほど大きなサイズではありません。インパクトの強いロボットがオブジェ的に置かれている程度。
それでもハンコックさんがいちばん重視しているのは、やはり同一の世界観だと思います。たとえばAppleストアは、世界中どこにあっても店内の雰囲気はすべて同じですよね。こうした統一感をユニバーサルランゲージだと考えているのでしょう。空間の広さに限りがあっても、ひと目で「あっ、GENTLE MONSTERだ!」とわかるように、共通する世界観を作り上げることへのこだわりを感じます。

GENTLE MONSTERはいまや韓国のさまざまな企業やブランドにとって、見習うべき成功例のような存在。大企業ではないにもかかわらずグローバルに成功した、かつてないブランドです。世界観をしっかり作り上げることによって、商品そのものをPRする以上に熱烈なファンを獲得するという文化を生み出しました。韓国にはこんな企業はほとんどありません。組織作りをはじめ、いろいろな意味で珍しくて、奇抜でもあり、ユニーク。だから興味深い。

「この成功に続きたい」とケーススタディをする企業も多く、GENTLE MONSTERにインスパイアされた後発のやや安価なBLUE ELEPHANTというアイウェアブランドも売上を伸ばしています。ただ、GENTLE MONSTER側は「商品や店舗インテリアのコンセプトを模倣した」として昨年BLUE ELEPHANTを提訴し、「消費者の混乱を招くことのないよう強硬に対応する」と表明しています。

「星から来たあなた」のチョン・ジヒョンが火付け役に

ロボットで有名になる前のGENTLE MONSTERは、レンズにカーブのないフラットなサングラスで知られていました。今は少し価格が上がりましたが、2010年代は10万~20万ウォン台だったと記憶しています。
初期のマーケティングは、メディア露出の多い有名人に商品を身につけてもらうというシンプルなもの。日本では映画「猟奇的な彼女」(2001年)で有名なチョン・ジヒョンさんがドラマ「星から来たあなた」(2013~14年)でトップ女優役を演じた際、GENTLE MONSTERのサングラスをかけて登場したのです。このモデルが“チョン・ジヒョンサングラス”と呼ばれて火がついた。彼女は中国や日本でも知名度が高いので海外でも人気となり、最初は免税店を増やしていくという展開になりました。

*ドラマ「星から来たあなた」は福士蒼汰と山本美月主演で2022年、日本でリメイク。

後編(7月18日公開予定)へ続く

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ジョエル・キンベック(JOEL KIMBECK)

 英ゴールドスミス・カレッジの大学院でメディアを専攻。広告企画会社勤務を経て2010年に独立し、ブランディングエージェンシー「STUDIO HANSOME」を設立する。ニューヨークを拠点に、ソウル、東京、パリ、ミラノを行き来してファッション、ビューティー、ライフスタイルのブランディングを手がけるクリエイティブ・ディレクター。
 LVMHグループ傘下のブランドをはじめ、モスキーノ、VERA WANG、メゾンキツネ、ラフシモンズ、ロベルトカヴァリ、TUMI、カルバン・クラインなどのファッションブランド、ロレアルグループ傘下やアモーレパシフィック傘下のビューティーブランドにおいて、ブランディング全般を担ってきた。 
 韓国の『W』『VOGUE』『GQ』、『月刊デザイン』『東亜日報』『週刊東亜』など多くの媒体でコラムを執筆中。著書に『ファッションミューズ』(2016年)、『FRESHNESS CODE』(2021年)がある。韓国人デザイナーの海外進出を支援する韓国政府のプロジェクト「コンセプトコリア」のコンサルタントとしても活躍。
@studiohandsome
https://www.studiohandsome.com/


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