よみタイ

「爪切男」という名を名乗る者として、本気でネイルケアをやってみた

 次は爪のお手入れの準備。まずは基本となる爪切りから。実は我が家には大量の爪切りがある。たんまりある。「爪切男に爪切りをプレゼントしたら面白い!」という安易な発想から、今まで何個の爪切りを贈って頂いたかわからない。もらったときは「俺に爪切り? 本当にサムい野郎だな……」ぐらいのことを思っていたのだが、今は心からその非礼を詫びたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
 数多くの爪切りの中から日本製の有名ブランド「SUWADA」のニッパー爪切りをチョイス。こんなタイプの爪切りがあるなんて全然知らなかった。

 続けてネイルケア用品のリサーチ。爪の形を整え、艶を出すもの、爪の根元にある甘皮を綺麗に取り除くための道具、栄養クリームと多種多様なネイルケア用品がある。これらを揃えるのには多額の費用がかかりそうだなと気後れしたが、驚くことにそのほとんどが100円ショップで揃えられるらしい。
 で、近所のお店で購入したものがこちら。ガラス製の爪やすり、表面の艶出しに使うネイルファイルとシャイナー、爪の生え際の皮膚を柔らかくするとともに、キューティクルを整えるキューティクルリムーバーオイルを購入。なんと500円ちょいでほとんどの道具が手に入ってしまった。世の中ちょっと狂ってやしないか。

「SUWADA」のニッパー爪切り。
「SUWADA」のニッパー爪切り。
爪切りと、100円ショップで買ったネイルケアグッズなど。
爪切りと、100円ショップで買ったネイルケアグッズなど。

 適度に水分を含み、爪が良い感じに柔らかくなるお風呂上りのタイミングを狙って、人生初のセルフネイルケアにチャレンジ。爪切男、自分の爪を愛でて、愛でて、愛でまくります。

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新刊紹介

爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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