2021.10.27
四つ葉のクローバーを見つけるコツ、教えます!
探すときは素早く目を動かしてスキャンすること。慣れれば簡単に見つかる
もう少し具体的に説明しましょう。
通常の三つ葉であれば、各葉の先端や、内側の白い模様などを結ぶと三角形を形づくっています。
単純な話、四つ葉のクローバーはそれが四角形。
大量に並ぶ三角群の中から四角形を見つければ、それが四つ葉のクローバーなのです。
独立行政法人国立印刷局で、新しい紙幣の印刷をおこなう工程をテレビで見たことがあります。
日本に一箇所しかないその特殊工場で、大きな用紙に刷られた裁断前の紙幣にミスプリントがないかどうか、検査する仕事の様子が紹介されていました。
係の人は、机の上に置いた紙幣印刷済み用紙束の端を持ち上げると、高速でパラパラパラっとめくって校正作業をしていました。
一枚一枚じっくりと見るのではなく、素人目では「ちゃんと見ているのか?」と思ってしまうような手さばきですが、実はこれがコツなのです。
正しいものの中に混じったわずかなミスプリントは、高速でめくっていると残像のように浮かんで見えるという話でした。
四つ葉のクローバー探しも同じです。
一本一本をじっくり見ていてもなかなか見つかりませんが、表面を軽くなでるようにサーッと見ていると、「あれ?」と思うものなのです。
この特技は昔から持っていると書きましたが、もしかしたら仕事をはじめてから後天的に身につけた技なのかもしれません。
僕の職業は編集者兼ライターですから、細かい文字群の中から誤字脱字などを見つけ出す工程を日常的におこなっています。
特に校了が近い書籍などでは、じっくり読み込む通常の読書とは違う“素読み”という作業をします。文字面だけを高速で流し読みし、間違いを探す作業が素読みです。
一種の速読術である素読み作業を長年にわたってしてきたから、僕は四つ葉を探すのが上手くなったのではないかと思っているのです。
だから世の編集者やライター諸氏、それに校正・校閲を生業にしている人は、今度公園に行ったら四つ葉のクローバー探しをしてみてください。
きっとたくさん見つけられるのではないかと思います。
四つ葉のクローバーは幸福のシンボルですが、大量に見つけられるからといって、異常なまでの幸運を得られるわけではないようです。
僕の人生はといえば、主観的には十分満足できるほど幸せですので、やはり四つ葉には感謝しなければならないと思っています。
と言うわけで今回は「四つ葉のクローバーの見つけ方」でした。
次回は「自生大麻の見つけ方」です。乞うご期待!(ウソウソウソウソ、冗談ですよ!)
連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから。
本連載は隔週更新です。次回は11/10(水)公開予定。どうぞお楽しみに!