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CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。
東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家“山の家”を購入!
妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。
音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、
著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。
別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。
社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

前回は、山の家の周辺で発生している木々の“異変”についてお伝えしました。
今回は、1980年代に建てられた山の家に施された、懐かしくも楽しい昭和的ギミックを紹介します。

“昭和レトロ”をディープに味わうなら、ちょっと古い別荘用住宅が最高

我々が青春時代を過ごしたあの1980年代が“レトロ”とはこれいかに?

ここ数年、巷はめっきり昭和レトロブーム。

ファッションはちょっと前から80’sテイストが流行っているし、音楽はシティポップやあの頃のアイドル歌謡が再評価されています。
永井博や鈴木英人のイラストがプリントされた雑貨を持ち、フィルムカメラを使って写真を撮り、音楽をアナログレコードやカセットテープで聴くのがオシャレ。

僕も使っている永井博イラストのペンケース
僕も使っている永井博イラストのペンケース

中一の娘に付き合い、お財布係としてファンシーショップ(って死語?)に行くと、恐ろしく懐かしいタッチのイラストが描かれた文具が並んでいて驚きます。
もっとも“懐かしい”というのは、昭和時代に10代のすべてを捧げた、ぎりバブル世代な僕ら、またはそれ以上の歳の人の感覚で、昭和などツユほども知らぬZ世代の娘は、そうしたものをただ新鮮に受け止め、素直に楽しんでいるように見受けられます。

そういえば今春、西武園ゆうえんちが昭和の街並みを再現したテーマパークに生まれ変わりました。
1960年代後半に藤子・F・不二雄が、21世紀を舞台とする漫画『21エモン』で一種のギャグとして描いた、明治村のパロディである“昭和村”が、本当にできる時代になったわけです。
などと、微妙にわかりにくいオヤジ的感慨にふけったりして。

えっと何の話でしたっけ?
そうそう。
いつの時代にも、過ぎ去りし日々の風物を愛おしむレトロマニアはいますが、これほど大きなブームになったのは1980年代中頃以来のことだといいます。
当時のことは僕もよく覚えています。宇宙百貨や文化屋雑貨店、となりのみよちゃんのようなレトロ雑貨を扱うショップが大人気で、大昔の映画や歌謡曲が流行り、ネオGSという音楽ジャンルが誕生したりしました。

そして今どきは、僕らが青春時代を過ごした1980年代がレトロ扱いされ、若い子を中心にブームとなっているのだから不思議なものです。
「レトロ? 1980年代なんて、ついこの前じゃん!」などというのは、典型的なロートル(これも死語)の戯言なのです。

昭和時代は長かったので、我々バブル世代は“昭和レトロ”というと、昭和30年代かもっと前の時代を思い浮かべます。
だから1980年代頃の風物を尊ぶ今のブームは、正確には“昭和レトロ”というよりも“昭和末期レトロ”と呼ぶべきじゃないかと思います。

昭和末期レトロブームはファッションからエンタメ、カルチャー、インテリアなどにまで及んでいますが、21世紀人の我々はそうした物事を、つまみ程度に楽しむのが普通でしょう。
でも改めて考えてみると、僕が実践しているデュアルライフは、実はかなりディープかつリアルな昭和末期レトロライフだったりするのです。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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