2019.4.16
グルーミング~眉毛をきれいに整えている男はみっともない?
僕は今年50歳になるが、何事も現在40代前半の人たちの感性と、それほど大きなギャップを感じることはない。でもたまに5〜6歳下の人との断絶を感じることがある。
そのひとつがグルーミングに対する姿勢だ。
1998年の長野オリンピック。スキージャンプで大活躍し、表彰台に立った船木和喜選手の姿を見て驚いた。
眉がビシッと整えられていたからだ(ちなみに僕よりひとつ年上の原田雅彦選手は、ノーマル眉だった)。
もちろんそれ以前にも男で眉を整える人たちはいた。だけどそれはツッパリ文化だった。気合の入ったツッパリは、眼光に迫力をつけるために眉を整えた。細く、吊り上げ気味に。
懐かしき『ビー・バップ・ハイスクール』の世界である。
眉毛は整えるためにあるもの……なのかもしれない
でも船木選手の眉はツッパリ由来の感性によるものではなかった。
船木選手は1975年生まれだから、オリンピックの頃は20代前半の若者。そのくらいの世代は、男が眉を整えるのが当たり前になっていたのだ。
甲子園でもヤンキー風ではなくナチュラルに眉を整えた高校球児が増え、イケメン率がアップしていた。
これは仮説だが、男のグルーミングに対する意識は高校時代(マセガキは中学時代)に確立され、一生変わらない。そして男のグルーミングのトレンドは、同時代の女性のトレンドに引っ張られて決まる。
僕が高校生だった1980年代後半、女性の眉はすっごく太かった。だから男も当然、ゲジゲジ眉の方が偉かった。
でもその後、女性が細眉の時代に移ると、男もいそいそと眉を整えはじめたのだ。
ここ最近の女性のトレンドはまた太めに戻っているそうだが、今の高校生男子はどうしているのかな?
僕は現在では常識となった男のグルーミングに、微妙に乗り遅れた世代だ。
でも……。
今は僕もときどき、人知れずこっそりと眉を微妙に整えている。
髪の勢いとは反比例して、眉毛はなぜか妙に勢いを増しているからだ。
そして鏡に映る自分を見て、「あれ、悪くないね?」と思う。
グリズリー世代の中でも意識が分かれる眉グルーミングだが、僕のように抵抗があった人も、これからこっそりとやってみてはいかがだろう。
悪くはないはずだから。