2026.9.7
「やればできる!」を実感できるのが理科。テスト直前でも挽回できる理科の勉強法
前回は理科の前編をお届けしました。
後編では、理科のテストで得点するための、具体的な勉強法をお伝えします。
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理科は、中学校から始めても大丈夫
「ゆっくり学ぶ子どもたちが、小学校6年間の理科を1年で習得する方法」。第1回では、「知っておきたい理科についてのマインドセットと、好きを育むための工夫」についてお伝えしました。
第2回となる今回は、その先のお話です。たとえ理科が苦手でも、どうすれば得点できるようになるのか。中学校や高校でも通用する、具体的な勉強方法についてお伝えします。
最初に、少し安心していただきたいことがあります。
小学校低学年から不登校で、小学校では理科の授業をほとんど受けていなかった。あるいは、理科をまったく勉強していない。そんな状況で、いきなり中学理科の学習を始めても、実は、それほど困りません。
たとえば中学数学は、掛け算や割り算、分数や小数の扱い方がわかっていることを前提に進みます。そのため、小学校の内容が抜けている場合には、中学入学前に補うか、中学の学習と並行して補う必要があります。
一方、理科は、小学校で習った内容がそのまま中学の学習の土台になる割合が低い教科です。中学理科では、小学校で扱った現象をもう一度取り上げ、より詳しく、体系的に学んでいきます。もちろん、小学校の内容を知っているほうが理解しやすいのですが、中学理科から学び始めても、大丈夫です。
そのうえで、もし中学入学前に理科へ時間をあてられるなら、受験研究社の『小学高学年 自由自在 理科』を読むことをおすすめします。
オールカラーで、図や写真が多く、図鑑のように楽しめる本です。大人が読んでも面白いと思います。1冊で小学校の理科の内容をほぼ網羅してあり、基礎から中学受験レベルまで扱っています。1日1章くらいのペースで読み、章ごとに用意されている「重点チェック」で要点を確認します。この段階では、すべてを覚えなくても構いません。クイズに挑戦するような気持ちで、楽しんでみてください。「見たことがある」「聞いたことがある」「なんとなく知っている」そんなことを増やす感覚で大丈夫です。わからない単元や苦手な単元が見つかったら、「中学校でこの範囲が出てきたら、よく聞こう」と心構えをしておきましょう。
中学入学前の大切な準備は、理科も英語と同じように、「中学校に入ると、勉強の仕方が大きく変わる教科」であることを、子どもたちに伝えておくことです。
小学校の理科は、文部科学省の定めた学習指導要領によれば「自然に親しみ、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を育成すること」を目的とし、校庭に出て植物や太陽を観察したり、実験をして気づいたことを発表したりする「体験中心」の授業の組み立てになっています。
中学校でも、もちろん観察や実験は行いますが、それに加えて「定期テストで得点すること」が求められるようになります。ここは、子どもたちにとって大きな飛躍なので、事前に説明しておくと安心です。
「中学校に入ると、定期テストというものがあるよ。そこまでに習ったことを、どれくらい理解しているか、どれくらい質問に答えられるかを確かめるテストだよ。そのためには、一つひとつ覚えていく必要がある。でも、覚えれば点数が取れる仕組みでもあるんだ。大丈夫。ポケモンの名前や新曲の歌詞を覚えることより、きっと簡単だから」
少し先の見通しを持つことは、ゆっくり育つ子どもたちにとって、大きな安心材料になります。
理科は「テスト直前」であっても巻き返しが可能な教科
では、たとえ理科が苦手でも、中学の定期テストで得点するためには、具体的にどうすればよいのか。
身も蓋もない話ですが、最初の一歩は暗記です。一番のおすすめは、例えば、受験研究社の『中学&高校入試 パーフェクト一問一答 理科』のような一問一答集で覚えることです。一問一答集は、すべての問いが短い文章で構成され、答えが一つに決まっています。問題集のなかでも、特に小さなステップで覚えていける教材です。まず一問一答集で出題範囲を覚え、学校の副教材のワークを解きます。
理科では、これまでに明らかになったことや、すでに名前のついている事物・現象を覚えることが求められます。
「なんでこんな名前なの? キモい! 覚えられない!」そう言っても、残念ながら名前や事実そのものは変えられないので、覚え方を工夫します。語呂合わせでも、替え歌でも、変な絵でも、どんなにふざけた覚え方でもいいのです。テストの3日後に忘れてしまっても大丈夫、まずはテストの日までにいったん覚えましょう。最初は、一つひとつ覚えた事柄を忘れやすくても、学習を重ねると、点が線になり図形になるように、覚えた事柄どうしが結びついて、覚えやすく忘れにくくなります。
実は、私が家庭教師として、生徒たちに理科の勉強を通して学んでほしいのは、学習内容もさることながら、「テスト範囲の内容をテストの日までに覚え、問題を解けるようにすると良い点が取れる」という成功体験です。
理科は一見難しそうで、取り組む前には、「取り組もうと思うと心が折れそうになる」こともあるかもしれません。しかし、単元によっては、数時間の勉強で高得点を取ることも可能な教科です。
教え子の一人に、不登校で、定期テストの日だけ登校し、別室で受験していた子がいました。しかし、中学2年生の秋まで、「できる気がしないから、理科のテストは受けられない」と、理科は受験せずにいました。
高校進学を意識し始めた2学期の期末テスト。その2日前、本人から連絡が来ました。
「教科書も開いたことがなく、まったく勉強していないけれど、理科も受けることにしました。どうしたらいいですか?」
泣いている絵文字が添えられていました。
私は「まず、理科のテストを受けようと決めたことが、大きな一歩。それ自体が大変なことだよ。たとえ0点でも一緒に笑おう」と伝えました。
前日に1時間指導すると、その子は範囲の大半を理解することができました。本人にも手応えがあったのでしょう。「先生、もう1時間教わりたい」と申し出がありました。
合計2時間の勉強で、テストは85点。本人がいちばん驚いていました。
「私、理科は得意なのかも」
そう、うれしそうに話していました。
これは、理科の教科特性によるものです。
数学や英語が、前に学んだ内容を土台として進む「連続ドラマ」だとすれば、中学理科には、単元ごとに取り組みやすい「1話完結型」の側面があります。前提が要らず、その章だけに集中して取り組むことができます。決まりや事実を覚えることが多いため、期限までに覚え、問題を解けるようにすれば得点できます。特別なひらめきやセンスがなくても、大丈夫です。
「できない」と思っていた教科で得点できると、子どもの自己認識は鮮やかに変わります。「私は理科が苦手だから、どうせやってもできない」から、「勉強すれば、できるかもしれない」へと変わっていくのです。どんな言葉がけよりも、点数を取ってしまうことが、何よりの自信とモチベーションになります。この生徒は、「期限までに覚えれば得点できる」という、定期テストのシンプルなルールに気づき、以降、他の教科の勉強にもとても前向きに取り組むようになりました。そして、この成功体験は、どの子にも、これからつくることができます。

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