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学ぶ単語数は親世代の2.5倍! 高度化する中学英語で「中1ギャップ」が起こる理由と、小学生からすぐにできる2つの準備

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中学卒業段階で英検3級レベル6割以上が目標

小学校の英語では、幼児が自然に言語を習得するときのように「たくさん耳で聞いて、簡単なセンテンスを覚えて話す」という過程を大事にしており、3・4年生の「外国語活動」ではレクリエーションとして親しみ、5・6年生の英語の授業でも、聞くことや話すことなどコミュニケーションに主眼が置かれています。

ここでは、特定のセンテンスを覚えることはあっても英文法にはあまり触れません。しかし、中学英語を経て待っているのは、やはり文法を基とした長文読解・英作文の比重が高い高校入試・大学入試です。文部科学省の「第4期教育振興基本計画」においても、令和9年度までに中学校卒業段階で英検3級レベル相当以上を達成した中学生の割合を6割以上にすることを目標としており、中学での英文法の学習は避けては通れないものであるといえます。これが英語教育における「中1ギャップ」と呼ばれる所以でもあります。

前出の教科書の最初の単元の例文は、そんな「小学校で覚えてきた簡単なセンテンス」を使ったものであり、いわば、「言語を自然に習得する形での学習」から「従来の文法型の学習」への橋渡しのような役割があると推測するのですが、子どもたちにはそのような説明もなく、なんとなくわからないまま難しい英文に触れ続け、英文法の定着を待たずに次の単元へと進んでいきます。「なんだか難しい」「よくわからない」「小学校の英語は楽しかったのに」と英語への苦手意識を持つ子どもも少なくありません。

そして悲しいことに、このように「小学校から英語の授業が始まり、単語の語彙が増え高度化した中学英語教育」を受けている生徒たちの英語力は、必ずしも伸びていないとする調査結果があります。文部科学省の経年変化分析調査によれば、21年度と24年度の中3生を対象にした学力テストにおいて、英語の平均点は22.9ポイント下がっていました。

ここで特記したいのは、この経年変化分析調査では、毎年のように変わる問題難易度に左右されず、純粋な学力向上・低下の推移(経年変化)を正確に測定するための基準(ものさし)とするため、「過去の調査で出題され、統計的に測定基準として有効と判断された非公開問題」が繰り返し使われている点です。つまり、同じ問題を解かせても、正答率が下がっている、ということです。同一問題の正答率の比較から、特に、基本的な語句や文法事項を理解していないことが指摘されています。

写真はイメージです。(写真AC)
写真はイメージです。(写真AC)

中学から安心して英語を学ぶための2つの準備

このような環境の中、ゆっくり育つ子たちが中学で安心して英語を学ぶために、今からすぐにできる準備が2つあります。

1つ目は「説明すること」です。

「小学校の英語では英語に親しむためにコミュニケーションに重点が置かれていたから、みんなでお話ししたりゲームをしたりすることが多かったけれど、中学からは英語のルールを勉強して自分一人で英語の文章を読んだり書いたり話したりする勉強になるんだよ。でも、一つひとつ丁寧に学んでいけば、怖くないよ。できるようになるよ。そのために少しずつ準備をしていこうね。」と、説明してあげて欲しいのです。先が見通せないことに不安を感じやすい子どもたちにとって、「これから何を学ぶのか」「なぜ難しく感じるのか」「どうしたらいいか」を事前に知ることは、大きな安心につながります。

2つ目は「英単語を覚えること」です。

小学校では英語に親しむことに主眼が置かれているので、英単語テストなどが実施されることは稀ですが、小学校の英語で触れる600~700語は、中学では既習事項として、つまり「わかっているもの、覚えているもの」として授業が進むことになります。簡単な単語からで大丈夫です。「覚えること」を練習しておきましょう。「何を覚えたらいいかわからない」場合には、英検5級の合格に必要な単語数がおよそ600語程度と言われており、例えば旺文社の『英検5級 でる順パス単』などの単語帳等を使って覚えてみるのも良いかもしれません。「せっかく英検5級の単語を覚えたのだから、英検5級を受けてみる?」と誘いやすくもなり、おすすめです。

中学でしっかりと英語の基礎を身につけ、将来につながる英語力を育てていくために、次回は、「ゆっくり学ぶ子どもたちが中学英語を乗り切るための戦略的処方箋」をお届けします。いつも応援しています。

 この連載は毎月第1月曜配信。次回は7/6(月)公開予定です。お楽しみに!

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植木和実

うえき・かづみ●1976年生まれ。不登校専門オンラインプロ家庭教師イエローシードラビー代表。
東京大学大学農学部卒業後、社会人生活を経て、東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程入学。同大大学院博士課程を経て(株)ライフサイエンス社入社。
ダウン症の子どもを出産後、育児を両立する方法として家庭教師の道へ。大学時代からの通算家庭教師歴は20年以上。認定心理士の資格を取得。

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