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「推せないしんどさ」はASDなどの発達特性? グレーゾーン自認の「推せない者」が先送りにしていた課題に向き合ってみた

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「心理的リアクタンスの強さ」と発達特性の関連性の解釈にモヤる理由

ダメ押しに僕の「流行りに乗れん」において最も大きな心理的背景と感じている「心理的リアクタンスの強さ」と発達特性の関連性については、どんな解釈がされているかというと、

A:自身の予定していたりすでに行動していることが、他者によって変更されることに強い不安を感じるため、自身のやり方を押し通そうとする(自分を守るために他者の介入に反発・癇癪などを起こす)。

B:様々なことに独自の強いこだわりがあるため、そのやり方・ペースなどを崩されることを極端に嫌い、介入を自身の自由を奪う脅威と感じてしまう。

C:他者の示す提案や指示の意味・意図を解釈することが困難で、理解にエネルギーを使うため、自分自身で直感的に理解でき納得できる選択=「自分のことは自分で決める」方が楽に感じる。

となるが、再び自身と比較してどうか?

「A」については、実は僕自身は40代で高次脳機能障害という認知機能障害を経験したことがあり、その際にこの「自身の予定・行動の変更」について全く対応できないという非常にしんどい症状(注意の固着・遂行機能障害などが背景で脳の認知機能の問題としてはほぼ後天的発達特性といって良い)があった。が、発症前には全く未経験の特性だったわけで、僕の子ども時代からの強いリアクタンスとは無関係だろう。

「B」のこだわりについても、あまり自覚的ではない。が、連載前回・前々回で実例を吐露したように、自身が納得・理解できていないのに「当たり前だから、常識だから、そういうものだから、従え」ということに対する激しい反発が僕の抱えるリアクタンスなわけで、「納得できること・理屈が分かること」に強いこだわりがあるとされたら、これは無自覚ながら強い特性なのかもしれない。

「C」の「指示理解の困難」については、「A」同様に後天的に持つこととなった障害の症状の中に強く含まれていたため、「だから自分で決めたい・自分のやり方でやり通したい」の気持ちはとてもよく分かるが、やはりそれは発症前には未体験の不自由感だったわけで、子ども時代からの特性とは別だろう。

それにしても、こうして「〇〇のような行動と発達特性との関連」といった視点で資料や書籍、AIなどに解釈を求めると、そこにいちいち「その当時者を誰が見たときに腑に落ちる解釈なのか」のバイアスがかかっているように感じる。しかも「当事者がどう感じているか」ではなく、研究や臨床現場でどのように指摘・言及されているかばかりを解釈の基盤としているものばかりで、しかもその解像度がいちいち低い気がして、めちゃめちゃモヤモヤするなあ……。

ということで、どうにも着地点が見えづらいので、次回はここまでの情報と僕自身との比較・考察について、実際に発達特性がある診断済の当事者が、どのように感じどのように解釈するのか、聞き取りを展開していきたいと思う。

 この連載は毎月第4土曜日午前9時配信。次回は7月25日(土)公開予定です。お楽しみに!

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新刊紹介

鈴木大介

すずき・だいすけ/文筆業・ルポライター
1973年千葉県生まれ。主な著書に若い女性や子どもの貧困問題をテーマにした『最貧困女子』(幻冬舎)、『ギャングース(漫画原作・映画化)』(講談社)、『老人喰い』(ちくま新書・TBS系列にてドラマ化)や、自身の抱える障害をテーマにした「脳が壊れた」(新潮社)、互いに障害を抱える夫婦間のパートナーシップを描いた『されど愛しきお妻様』(講談社・漫画化)などがある。
2020年、「『脳コワ』さん支援ガイド」(医学書院・シリーズケアをひらく)にて日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞。近刊に『ネット右翼になった父』(講談社現代新書・新書大賞2024・5位)『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』(幻冬舎新書)など。

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