2022.7.23
【中村憲剛×尾形貴弘対談 後編】サッカー界の人気を引き上げるには外からの力も必要!
ドロップアウトした俺だからこそ、「頑張れよ!」って背中を押してあげたい
尾形
憲剛は引退して中央大学でもサッカーを教えているんだよな。
中村
はい。2つ年上の宮沢正史監督のもとでテクニカルアドバイザーをやらせてもらってます。
尾形
学生たちも幸せだよな、Jリーガーだったマーシー(注・宮沢正史さんの愛称)と、俺がいずれは日本代表監督になると思っている憲剛から教えてもらえるんだから。
中村
いやいやいや……、僕はまだまだ修行の身ですから。
尾形
俺も5月に多摩キャンパスに呼ばれて、元日本代表の福田(正博)さんやマーシーたちとサッカー部OBでトークショーをしたのよ。OBと認められた気がして、ちょっとうれしかったな。
中村
清水エスパルスでGMを務める大熊清さんもいましたね。
尾形
俺みたいに学生時代にダメだったヤツが言っても説得力ゼロなんだけど、「今は泥臭いことはカッコいいことだと思ってる。下手だろうが、食らいつくのが今の自分!」みたいな話をしたよ。でも何か変な空気になっちゃったんだよな(笑)。
中村
いや、それでいいんですよ。それはそういう経験をされた尾形さんにしか話せないことです。サッカーが好きなんだけど、どこかで離れてしまうサッカー部員は中央大学に限らず実は多いわけですから。
尾形
うん。努力の仕方がわからないってヤツ、俺だけじゃなくまわりにもいっぱいいたからな。
中村
だから、どうしても真面目にサッカーに打ち込む人と、打ち込めなくなって離れてしまう人に分かれてしまうんですよね。
尾形
そう。だから、外れてしまった俺だからこそ、「頑張れよ!」って背中を押してあげたいなって。
中村
尾形さんは卒業した後もずっと悔しい気持ちを抱えてきたわけですよね。その苦しみを知っている人からのエールは、また違う重みがあると思います。
尾形
メンタルコーチみたいなものにも興味あるんだよ。
中村
「メンタル!」だけに(笑)。
尾形
まあ、気合い系っていうかさ。
中村
サッカーは気合いだけで乗り切れるほど甘くはないスポーツですが、同時に強いメンタルは絶対に必要なことも事実です。
尾形
たいしたアドバイスなんてできないとは思うんだよ。ただ自分のひと言で立ち直ってくれたらうれしいじゃん。別に報酬なんていらないから、そういうのやってみたいんだよな。
中村
尾形さんの熱量なら、いいアプローチができると思います。
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