サッカーにすべてを捧げることができることも、サッカーセンス

尾形　　
俺、やっぱりサッカー好きだから！　憲剛の本『ラストパス』も熟読したよ。サッカーが楽しいって書いていて、そうだよなって。やっぱ楽しくないと伸びないんだよ。楽しくないと好きなことに集中できないから。

中村　　
え、読んでくれたんですか？　まさか本まで読んでいただいているとは（泣）。

尾形　　
そりゃ読むよ！　芸人の仕事だってそう。つらいこともないわけじゃないけど、楽しいと思えるから一生懸命にやれる。今だから思うけど、憲剛みたいに、サッカーに一生懸命すべてを捧げることができることも、サッカーセンスだと思うのよ。高校時代、俺はゲームキャプテンだったけど、生活態度はまったくダメだったから。そのセンスがなかった。でも、弱くてダメな自分があって、今の自分があるわけだもんな。

中村　
そういった高校時代の話もどんどん発信してくださいよ。心に響く人、少なくないと思いますから。

尾形　　
心に響くといえば、やっぱり憲剛の本！　あれ、もう俺、泣いちゃったんだから！

中村　
そこまで（笑）。

尾形　　
奥さんの加奈子さん。本で感動したけど、マジでいい奥さんだな！

中村　　
ありがとうございます。

尾形　　
大学サッカー部のマネージャーさんだろ。俺らのときはマネージャーいなかったから。

中村　　
僕が４年のときに当時の監督がマネージャーを採用しようってなって、最初に採用されたのが奥さんなんです。

尾形　　
３人の子どもたちもメッチャいい子で。これも父親がカッコいい背中を見せてるからなんだろうな。俺もああいう家庭にしていきたいよ。

中村　
尾形さんもどんなことにも汗を流して頑張って、カッコいい背中を見せてるじゃないですか。

尾形　　
もっともっと頑張って憲剛とサッカー界に恩返ししていくから！

中村　
僕は尾形さんから十分パワーをもらってきたので、大丈夫ですよ（笑）、ぜひサッカー界にお願いいたします。サッカー好き芸人さんたちの先頭に立って、サッカーを盛り上げていただければ何より心強いです。

尾形　　
自分にそんな力があるとは思わないよ。でも俺がやんなきゃいけないこともわかった気がする！　マジ、今日は感謝だよ!!

中村　
尾形さん、だからそこは「サンキュー!!」ですって（笑）。

【ケンゴの一筆御礼】

怖くて、どうしようもなかった尾形先輩がお笑いの世界で頑張っている姿は、現役のとき本当に励みになったんです。感謝したいのは僕のほう。だから何かの機会があればじっくり話をしてみたいと思っていました。イベントなどで会うことがあっても、いつも軽い挨拶くらいだったので、ようやく実現できてうれしかったです。
僕の名前を出してくれてありがたいのに、逆に気にしてもらっていたなんて思ってもみませんでした。尾形さんなりに遠慮があったんでしょうね。マジでひどい先輩でしたから（笑）。でも今回の対談で、お互いに遠慮みたいなものが本当に取れたんじゃないかなと感じています。お笑い芸人としてすごく知名度もありますし、子どもたちにも大人気。これからも、どんどんサッカーを盛り上げていただきたいし、子どもたちに教えたり、後輩たちに自分の経験を伝えたり、サッカーそのものにも、もっと関わっていただきたいです。
尾形先輩の熱量を、ぜひサッカー界にもぶつけてほしいと思います。ありがとうございました。

この連載は不定期連載です。次回はどんなゲストが登場するか？　お楽しみに！
（取材時は感染対策を徹底し、撮影時のみマスクを外しています）