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【中村憲剛×廣瀬俊朗対談 前編】大学、社会人、プロ…常にキャプテンだった二人のリーダーシップ論 

中村憲剛さんの対談連載、鈴木桂治さんに続く2人目のゲストは元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗さん。現役引退後は会社経営のほか、TBSドラマ「ノーサイド・ゲーム」での俳優挑戦や日本テレビのニュース番組「news zero」で有働由美子キャスターの木曜パートナーを務めるなど様々な分野で活躍をされています。

同年代で、大学でも社会人&プロでも「キャプテン」という共通項があるふたり。過去にスポーツ誌でリモート対談をした際に意気投合し、「もっと話してみたい」という中村さんの希望もあり、今回、初の対面対談が実現しました。前編では、キャプテンシー、リーダーシップについて興味深い掛け合いが続いていきます。

(取材・構成/二宮寿朗 撮影/熊谷 貫)
ラグビー、サッカーを代表するキャプテン経験者。初対面とは思えぬリラックスした雰囲気で対談は行われた。
ラグビー、サッカーを代表するキャプテン経験者。初対面とは思えぬリラックスした雰囲気で対談は行われた。

悩み多きキャプテンのために大学院で研究中

中村 
ごぶさたしております。雑誌の対談はリモートでしたから、やっとお会いできてうれしいです。

廣瀬
僕も憲剛さんとお会いできることを楽しみにしていました。ゲストに呼んでいただき、本当に光栄です。

中村 
今、母校・慶應義塾大学の大学院でキャプテンシーをテーマにした研究をされているとか。

廣瀬
はい。元々の経緯は自分がキャプテンのときに結構大変でしたし、「誰に相談したらええねん」みたいなところがあって。今、学生と接しても悩んでいるキャプテンは少なくない。ここをサポートできたらいいんじゃないかと思って。

中村 
すごく興味ありますね。

廣瀬
コーチやキャプテンがどうリーダーシップを取るかが大事、というところに行き着いて。「リーダーシップの見える化」と言いますか、こういうふうにやったらいいんじゃないのというのを形にできたら面白そうやなと思って今、頑張っています。

中村 
つまりキャプテンをコーチしてあげるみたいな。

廣瀬
まさにそうです。

中村 
僕も川崎フロンターレで2007年からゲームキャプテンを務め始め、2013年からチームキャプテンをやらせてもらって、2017年に後輩の小林悠にバトンタッチしたんですけど、キャプテンから離れたらまったく関係ないかと言われたらそうではなくて。悠のキャプテン1年目は特にサポートしましたし、寄り添うようにはしました。多少なりとも導く人がいたほうが、新しくキャプテンになった人もやりやすくなる。キャプテンにしかない悩みはあるし、ちょっと孤独だし……。そういう意味では廣瀬さんの研究が、将来的に全てのキャプテンを救うことになるかもしれない。

廣瀬
ちょっとでもそうなればいいんですけどね。

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新刊紹介

中村憲剛

なかむら・けんご●1980年10月31日生まれ、東京都出身。中央大学卒。
2003年、川崎フロンターレに入団。20年の引退まで同チーム一筋のレジェンド。Jリーグベストイレブン8回。16年にはMVPも受賞。日本代表国際Aマッチ68試合出場6得点。10年南アフリカW杯、出場。最新刊『ラストパス』は現在4刷で話題。
公式ブログ■中村憲剛オフィシャルブログ
公式X@kengo19801031
公式インスタグラムkengo19801031

廣瀬俊朗

ひろせ・としあき●1981年10月17日生まれ、大阪府出身。北野高校、慶應義塾大学理工学部卒。2004年、東芝ブレイブルーパス入団。高校日本代表や日本代表などすべてのチームで主将を務める。15年、ラグビーW杯イングランド大会メンバー。16年、引退。
19年、東芝を退社し、(株)HiRAKU 設立。現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科でキャプテンシーの研究に取り組むほか、スポーツの普及、教育、食、健康に重点をおいた様々なプロジェクトを進めている。
著書に『なんのために勝つのか。ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論』(東洋館出版社)などがある。
公式ツイッター@toshiaki1017

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