2021.11.13
【中村憲剛×廣瀬俊朗対談 前編】大学、社会人、プロ…常にキャプテンだった二人のリーダーシップ論
同年代で、大学でも社会人&プロでも「キャプテン」という共通項があるふたり。過去にスポーツ誌でリモート対談をした際に意気投合し、「もっと話してみたい」という中村さんの希望もあり、今回、初の対面対談が実現しました。前編では、キャプテンシー、リーダーシップについて興味深い掛け合いが続いていきます。
(取材・構成/二宮寿朗 撮影/熊谷 貫)
悩み多きキャプテンのために大学院で研究中
中村
ごぶさたしております。雑誌の対談はリモートでしたから、やっとお会いできてうれしいです。
廣瀬
僕も憲剛さんとお会いできることを楽しみにしていました。ゲストに呼んでいただき、本当に光栄です。
中村
今、母校・慶應義塾大学の大学院でキャプテンシーをテーマにした研究をされているとか。
廣瀬
はい。元々の経緯は自分がキャプテンのときに結構大変でしたし、「誰に相談したらええねん」みたいなところがあって。今、学生と接しても悩んでいるキャプテンは少なくない。ここをサポートできたらいいんじゃないかと思って。
中村
すごく興味ありますね。
廣瀬
コーチやキャプテンがどうリーダーシップを取るかが大事、というところに行き着いて。「リーダーシップの見える化」と言いますか、こういうふうにやったらいいんじゃないのというのを形にできたら面白そうやなと思って今、頑張っています。
中村
つまりキャプテンをコーチしてあげるみたいな。
廣瀬
まさにそうです。
中村
僕も川崎フロンターレで2007年からゲームキャプテンを務め始め、2013年からチームキャプテンをやらせてもらって、2017年に後輩の小林悠にバトンタッチしたんですけど、キャプテンから離れたらまったく関係ないかと言われたらそうではなくて。悠のキャプテン1年目は特にサポートしましたし、寄り添うようにはしました。多少なりとも導く人がいたほうが、新しくキャプテンになった人もやりやすくなる。キャプテンにしかない悩みはあるし、ちょっと孤独だし……。そういう意味では廣瀬さんの研究が、将来的に全てのキャプテンを救うことになるかもしれない。
廣瀬
ちょっとでもそうなればいいんですけどね。