2021.8.27
始まりは30年後。それじゃ、もう遅い
遠くまで見渡せる人の未来予想図とは
今回、インタビューを受けていただいた林さんが手がける「東京R不動産」は、早くから東京の空きビルに着目し、大手は相手にしないような変わった物件を見つけては、それを欲している人に繋いでいく形で業界の隙間を埋めるように成長していきました。
R不動産を立ち上げた当初は、まだネット環境がそこまで整っていなかったとき。
林さんはそれまで、きっと大きな案件ばかりを担当してきたはずなのに、自転車で街を回って、アポなしで交渉しながら物件を見つけていたそうです。
不動産を紹介するときも、その住居のストーリーや活用方法をともに紹介するなど、暮らす人の気持ちに寄り添った取り組みをしています。
他にもtoolboxというDIY商品を販売して、人によって好みは違うことを前提に、暮らす人に主導権を委ねる家づくりを提案。不動産をベースに様々な展開を続ける林さんですが、インタビュー時に「面白いと思うことしかやらない」と話していた通り、どんどん事業を拡張しているというよりは、ゆっくりゆっくり広げているように見えます。
以前インタビューをしたとき、林さんには私に見えていない何かがとっくに見えていて、既にもっと先を考えているようでした。
コロナ禍で社会不安が広がるなか、林さんがさりげなく言っていた「東京にはいずれスラム街ができるかもしれない」という言葉は前倒しになったような気がします。
そして、実家界隈の高層マンションとシャッター商店街の混在は、いずれスラム街ができるという予測と何か絡み合っているようにも思えます。
なぜこのような現状に至っているのか、今度はテーマを変えて、もう一度林さんに話を聞いてみよう。かなり久しぶりにも関わらず、原稿を先に送りつけるというゴリ押し感が否めないオファーを受けていただき、これからの東京と、地域社会の変化についてお話を伺いました。