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3年ぶりの健康診断、その結果は? 私も高血圧と本気で闘う覚悟を決めました

 検便、検尿の提出を済ませ、やけに着心地の良い検査着に着替え、いざ出陣。嗚呼、こんなにココロオドル健康診断は生まれて初めてだ。
 まずは身長、体重、血圧など基本的な身体測定からスタート。身長167.9cm、体重91.8kg、体脂肪率31.3%、肥満度48%。1cm近く身長が縮んでいるし、80キロ台前半まで落とした体重がまたもや90キロ台に突入しているではないか。血圧検査に関しては、最高142、最低97と高血圧が疑われる数値を叩き出した。
 いきなり出鼻をくじかれてしまった。そうだった、この1年と少しで30キロの大減量に成功したとはいえ、私はまだデブ、いや少し可愛げのある言い方をすれば「太めクン」には違いないのだ。
 
 初っ端から辛い現実を突きつけられたわけだが、息つく間もなく大の苦手としている採血検査に臨むことに。少しでも恐怖を紛らわそうと看護師さんに声をかけようと画策する。「このお仕事の経験は何年ですか?」などと聞くのは失礼に値するかなと思案した結果、「採血はお好きですか?」と間の抜けた質問をしてしまった。

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 バリウム検査の呼出しを待つあいだ、控え室の椅子に座りながら思う。
 自分がいかに健康になったかを見せつけてやると血気盛んに乗り込んできたというのに、次々と突きつけられる現実に意気消沈の私。だが、そんな心とは裏腹に、自分の身体をアレコレ調べてもらうことは意外と楽しいものなんだなという気付きもあった。過去、流れ作業のように無表情でこなしていた検査の結果に一喜一憂できるようになったのは、それだけ健康に関心を持てるようになったという何よりの証拠である。
 同じように健康診断を受けにきている人たちの中に、身体中から若々しいオーラを放っている人を見つけると、あの人のようになりたいな、どんな化粧品使ってるんだろうなというやる気と興味が湧いてくる。
 ああ、健康診断って意外と悪くない。

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新刊紹介

爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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