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チョコザップに人生を変えられた男。彼が見つけた新しい幸せのカタチとは?

ドラマ化もされた『死にたい夜にかぎって』で鮮烈デビュー。作家としての夢をかなえた爪切男が、いま思うのは「いい感じのおじさん」になりたいということ。これまでまったく興味がなかったのに、ひょんなことから美容と健康に目覚め……。中年男性が本気で挑む美容と健康にまつわるエッセイ連載です。

前回は昨年末に受けた「健康診断」で、高血圧などの結果が出た著者が考えたこと、でした。
今回は前回の予告通り、現在大人気の「チョコザップ」に入会し、適度の運動を始めることにしたのですが……。

(イラスト/山田参助)

第37回 私、長生きしてもいいですか?

(イラスト/山田参助)
(イラスト/山田参助)

 世間の流行りに素直に乗ることが苦手だ。
 日常生活、仕事の進め方、趣味嗜好などあらゆる面において、世の主流とされるものとは真逆のことをやりたがるきらいが強い。
 空や海を「青色」ではなく「灰色」で塗るのが大好きな子供だった。任天堂やソニーではなくSEGAのTVゲームに心ときめかせ、オリコンランキング50位ぐらいをウロチョロしている曲を好んで聴いた。みなが韓流ドラマで感動の涙を流すのなら、私はインド映画特有の激しいダンスで踊り狂うのみ。そして何より、まったくカネにならない作家という因果な商売を生業にして生きているわけだ。
 
 そんな筋金入りの天邪鬼な私だが、このところ巷を賑わせている「チョコザップ」に入会することを決意した。
 チョコザップとは、RIZAP監修のフィットネスジムのことで、24時間いつでもコンビニ感覚で体を鍛えられる〝コンビニジム〟と呼ばれるものの先駆けである。その手軽さと安価な利用料金から、老若男女問わず大人気の大きなトレンドとなっている。

 先日の健康診断にて「あなた、このままだと高血圧で死ぬかもね」とカジュアルな余命宣告を受けてしまった。食生活に睡眠など日々の生活改善に真剣に取り組んではいるものの、圧倒的に「運動」が足りていないことは明白であった。
 だが、本格的なスポーツジムに通うのは少し恥ずかしい。かといってトレーニング機器を自宅に設置する余裕もスペースもない。毎日の隙間時間にお試し感覚で運動がしたい。そんな私のニーズに応えてくれるのが、チョコザップに他ならないというわけだ。
 
 四十代になってから、のほほんと始めた美容と健康生活。スベスベのお肌、気分爽快な寝起き、快食快便とさまざまな効果を実感する毎日だが、中でも一番の収穫といえるもの、それは「自分自身を過信しない」「他人の意見を素直に受け入れる」といった意識改革ではないかと思う。
 昨今のさまざまな価値観の変化に無理についていく必要はないんじゃないか。その場しのぎの付け焼刃のアップデートじゃ先がない。わからないことを「教えてください」と頼む姿勢。何か粗相を働いたときは「ごめんなさい」と素直に謝ること。
 日々の美容から、私はそんなことを学んできたんじゃないのか。声を大にして言おう。ずっとチョコザップに興味がありました。
 
 何はなくともまずは入会だ。「スマホでサクサク!」という謳い文句に偽りなく、ちょっとした情報を入力するだけで5分もかからずに入会は完了。月額2,980円(税抜)という良心的価格で、40都道府県で1,160店舗(2023年11月発表時点)あるチョコザップの利用が可能となった。簡単すぎてちょっと怖い。
 
 さあ、チョコザップが私を呼んでいる。
 早速、家から歩いて10分のチョコザップへ。近くを通るたびにチラチラと盗み見をしていた憧れの場所へといざ行かん。

いざ行かん! 初めてのチョコザップ!
いざ行かん! 初めてのチョコザップ!
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爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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