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二拠点生活者が語る6年目の真実。仕事、お金、家族……デュアルライフ、良かったこと悪かったこと選手権!

【良かった点 その1】仕事の幅が広がった

フリーの編集者兼ライターの僕は、ありがたいことにデュアルライフをはじめてから仕事の幅が広がりました。
もちろんこの連載もありますし、その他の編集や原稿書きも、前より多様なジャンルの仕事が舞い込んでくるようになったと実感しています。
かつて僕は出版社に勤め、男性向けファッション誌の編集長をしていました。
フリーになったあとはオールマイティーに活動したいと考えていたのですが、やはり“ファッション系専門”というレッテルが貼られがちで、なかなか思うようにはいきませんでした。
しかし、デュアルライフという自分のもうひとつの軸を打ち出したことをきっかけに、キャパを広げられたようなのです。

【悪かった点 その1】刺激が少なくインスピレーションがわきにくい

仕事の幅が広がったと言いつつも、やはり僕が一番得意とするジャンルは、いまだにファッションやカルチャーです。
用がなくても東京の街をウロウロ歩き、渋谷や原宿のようなファッションタウンのショップで流行最先端の服を見たり、神保町のようなカルチャータウンで本などを物色したりしていると、おのずと仕事につながるインスピレーションがわいてきます。
でも、のどかな山中湖村では、それを望むことができません。
富士山や山中湖は毎日違う表情を見せるので、ある意味、刺激的ではありますが、ファッションやカルチャーの仕事に直結するはずはないのです。
今はデュアルライフとはいえ、東京での暮らしが中心なので問題はないですが、いずれ完全移住したらここをなんとかクリアしなければならないと思っています。

毎日変化する富士山は綺麗だけど
毎日変化する富士山は綺麗だけど

【良かった点 その2】集中して仕事に取り組める環境

年に数回、あまりにも仕事が煮詰まってどうにもならなくなりそうなとき、僕は「自主缶詰」と称して一人で山の家にこもります。
生活の場と共同の自宅を仕事場にしていると、どうしても集中力が削がれがちになるからです。
机に座って日がな一日キーボードをたたき、ひたすら文章を書く仕事は、東京の家より山の家の方がずっとはかどります。

【悪かった点 その2】出費がかさみ、家計が圧迫される

デュアルライフをはじめたことによって、家具や家電などの生活必需品は2つずつ必要になりましたし、東京と山梨を往復するための移動費、税金関連や水道光熱費の基本料金なども嵩むようになりました。
そもそも賃貸住宅である東京の家の家賃と購入した山の家のローンを払っているので、“二重ローン”に近い状態です。
ど庶民の我が家にとって、それらの出費が家計を圧迫していないと言えば嘘になります。
ただ、我が家にとっては現状のデュアルライフが完全移住への過程であり、いつまでもこの状態が続くわけではないというのがポイントです。
出費はいずれ抑えられるはずなので、今は頑張りどころと思っています。

【良かった点 その3】リモートワークに慣れ、完全移住への道筋が見えた

デュアルライフをしたからと言うよりも、昨今のコロナ禍による結果ですが、取材や打ち合わせの多くをリモートで済ませられるようになったことも、僕の仕事にとっては結果的にプラスとなりました。
このままリモートワークがもっと当たり前になっていけば、仕事のために東京にいる必要はどんどん薄れていくでしょう。
働き方改革が叫ばれながら、実態はなかなか変化がなかったコロナ前、仕事は東京ですべてこなし、山の家は静養に行くところとはっきり分けて考えていました。
しかし今は、山の家に長く留まっていても打ち合わせや取材を含めて、仕事はどんどん片付きます。
僕にとっては、完全移住への道筋がはっきり見えてきたわけです。

【悪かった点 その3】家の管理維持が大変

ずっと暮らしているわけではない山の家は、行くたびにいろいろとメンテナンスをしなければなりません。
これがなかなか大変なのです。
春から夏にかけては庭に生えまくる雑草の処理。
秋は落ち葉や、勝手にどんどん生えてくるススキの処理。
冬は雪かきや日陰で固まってしまっている氷の処理。
家の中も、経年劣化で傷んでいるところの補修や清掃に追われます。
そうした家の管理やメンテナンスを懸命にやるだけで、東京に帰らなければならない時間になることもしばしばで、そんなときは少々の虚しさを感じます。

山の家はメンテナンスが大変
山の家はメンテナンスが大変
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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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