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CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。
東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入!
妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。
音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、
著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。
別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。
社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

金持ちでもないのにどうしてデュアルライフができるの? その疑問に答えます

ある日の早朝散歩で拝んだ富士山は、赤く輝いていた

11月下旬某日。
長きにわたるフリーランス稼業のため軽い睡眠障害気味で、就寝時間も起床時間もめちゃくちゃな僕は、用もないのに午前6時に目覚めてしまいました。
寝ぼけ眼でフガフガ言っている犬に、「すまないねえ」と言いながらリードをつけ、早朝散歩に付き合わせます。
空は晴れ渡り、気持ちのいい朝でした。
村全体が標高1000メートル前後の位置にある山中湖村は、北海道と同じくらいの寒冷地。11月にもなると朝は地面に霜が降り、空気はパキパキに冷え込んでいます。

我が家の前からも富士山は見えますが、隣家や立木に邪魔されて完全な姿を拝むことはできません。
そこで犬の散歩のときにはいつも、2〜3分歩いた先にある眺めのいい場所を目指します。

6時半、ちょうど日の出の時間です。
いつもの角を曲がった僕は、「おぉ」と立ち止まりました。坂の上から見えた富士山が、赤く染まっていたのです。
「なるほど、これが噂に聞く“赤富士”か」と思いました。

赤く輝く富士山。それにしても電線がジャマなのだ。
赤く輝く富士山。それにしても電線がジャマなのだ。

赤富士とは。
本来であれば青みがかって見える富士山の山肌が、早朝の太陽の光を受けて暗褐色に染まって見える現象。江戸時代には浮世絵の題材として取り上げられることも多く、葛飾北斎の『富嶽三十六景』の中にも、傑作とされる有名な一図があります。
なんてことを家に帰ってウィキペディアで調べていたら、赤富士が観測できるのは“夏の朝”とあります。

今は断じて夏ではありません。では、あれは“赤富士”じゃないの? もしや、珍しいものを見てしまった!?
と興奮しつつさらに詳しく調べてみたら、赤い富士山は冬の朝にも見えることがわかりました。
それは夏の“赤富士”とは違い、“紅富士”と呼ばれるそうです。

紅富士とは……。雪化粧をした白い富士山の表面を、朝日がフラミンゴレッドに染める現象。
今年は雪が少ないので、ややレアなすっぴん紅富士が見られたのです。

赤富士と紅富士の違いなんて、全然知りませんでした。
そしてもし富士山の近くに住まなかったら、どちらも一生見ることはなかったでしょう。
思いがけず、こんなちょっとしたスペクタクルを目の当たりにし、新たな雑学を身につけられるのも、デュアルライフの醍醐味のひとつなのかもしれません。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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