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デュアルライフ民って地元から歓迎されてるの? ゴミは出せる? 下水がないって本当? 疑問に答えます

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

住民登録をしていなくても別荘所有者は自治体に(ちょっとだけ)納税する義務がある

デュアルライフをする場合、税金とか行政手続きってどうなるの? という疑問を持っている方も多いようです。
僕はそういうちゃんとした話が苦手な根っからのボンクラサブカルオヤジなのですが、自分の頭を整理するためにも今回ばかりは少し真面目に話をしようと思います。

まず根本的なこととして、日本の法律では、住民登録って一人一箇所しかおこなえないんですって。
そんなベーシックなことすらよく知らなかったので、デュアルライフのスタート時に、僕はこっちにも住民登録的なものが必要なのかと思い、勢いよく村役場に駆け込みました。
すると役場の人は(はいはい、また間抜けが来ましたよ)とでも思ったのか、子供に教えるように優しくレクチャーしてくれました。

いくら山の家を持っていても僕の場合、ベースは東京なので住民登録は世田谷区のみ。山中湖村に住民票はありません。
当然、基本的な納税先も選挙の投票も、東京都&世田谷区。
そして、東京都&世田谷区から各種行政サービスを受けています。

でも山の家がある山梨県・山中湖村に対しても、納税義務があります。
まず家・土地の評価額に応じて県に収める固定資産税。これはまあ、仕方ありませんね。
他にもあります。村内に別荘がある個人は住民登録をしていなくても“家屋敷課税”の対象となり、村県民税の均等割分を収めなければならないのです。
「ほら! やっぱデュアルライフってコスパ悪!」と思うかもしれません。
でも、落ち着いてください。よく考えたら、これは当然なのです。
だって山の家で暮らしている間は、デュアルライフ民といえども上水道の使用や、ごみの回収・処理をはじめとする様々な行政サービスを自治体から受けるわけですから。

山梨県・山中湖村の場合、別荘所有者の村県民税額は、定額で年5,500円(村3,500円・県2,000円の割合)。
安いと思いません? 東京で払っている住民税と比べたら、タダみたいなもんです。
これすらも“ダブルで納税するなんてもったいない”と思うようなら、そもそもデュアルライフには向いていないのかもしれません。
僕は「ナイスコスパ!」と拍手したくなりました。

今の季節は、都会にはない行政サービスで、激しいありがたみを感じることもあります。
それは除雪。
今年は少ないのですが、寒冷地の山中湖村は雪が深く降り積もることがあります。
でも我が家の前の細い道路を含め、村内の道が雪で埋まって通行不可能になることはまずありません。
冬になると道路の要所要所にはあらかじめ、積雪と凍結を防止する融雪剤がまかれているし、少しでも積もったらすぐに村が除雪車を出し、こまめに雪を取り除いてくれるからです。
雪の日に除雪車とすれ違うと、感謝の気持ちでいっぱいになります。
「5,500円しか払ってないオミソですみません」と思いながら。

降ったら降ったで大変だけど、やっぱり待ち遠しい雪景色
降ったら降ったで大変だけど、やっぱり待ち遠しい雪景色
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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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