よみタイ

イッヌってやっぱ最高じゃん? 愛犬と、施設で暮らす母のこと。

山の家に行くと、幸せドッグライフを満喫する愛犬と家族

東京の家から山梨県・山中湖村の家に向かう金曜日の夜、家族がバタバタと準備をしていると、クウもソワソワしはじめ、家族の誰かの足元にまとわりついてきます。
でも、車に乗せて用賀インターから東名高速に入り、しばし走った頃には「ああ、そうか」と納得したかのように、安心して寝てしまいます。

そして到着直前に必ず察してムクリと起き上がり、窓外を見ながら「やっぱり山の家だ!」と言わんばかりに興奮しはじめます。
途中の道でシカの姿でも見かけようものならギアはトップに入り、車を家の敷地に停めると鼻息荒く飛び出し、庭を猛ダッシュで約三周。
家族と一緒に家の中に飛び込んだあとも、専用ボックスからお気に入りのおもちゃを引っ張り出し、「投げろ投げろ」とせがんだり、「取れるものなら取ってみろ」と追いかけっこを仕掛けてきたりします。

朝起きると、すぐに散歩へ。
こちらでは他の人や犬に出くわすことが少ないので、東京の家とは違って伸縮リードを思い切り伸ばし、あちらへこちらへと自由に散策させます。
散歩の距離は必然的に長くなり、東京での散歩の倍以上の時間、歩き回ります。

湖畔や広い公園に連れていったときは、近くに人影やつながれて歩いている犬がいないことを確認したうえで、リードから外して思い切り走らせることもしばしば。
デュアルライフをはじめた頃、東京の作法が染み付いている飼い主としては、外で犬のリードを外してもいいの? と心配になりましたが、ほかの犬の飼い主さんは当たり前のようにそうしていました。
念のため、山中湖村のホームページで確認すると、東京の役所のホームページには必ずある「犬はリードでつないで云々」の一文がありません。
そういうのは公的なルールとして通達するものではなく、安全に十分配慮しながら周囲の状況を見極め、飼い主が自己判断すべし、ということなのだと思います。

テンションが上がりすぎて、シャッタースピードが追いつかない。
テンションが上がりすぎて、シャッタースピードが追いつかない。

いろいろな意見もあるとは思いますが、やっぱりそれが当たり前であり、犬を飼いやすい環境と言えるのだと思います。
翻って考えるに、現代の東京での暮らしでは、よほどしっかりケアしなければ、人と同様に犬もストレスを溜めやすいのだろうと思います。

東京にいるときと比べて運動量が格段に多いからでしょう。
山の家にいる間のクウは、ひとりでまったりと穏やかに過ごす時間が多く、あまり人にまとわりついてきません。
これが正解なのかなあと思いつつ、ちょっと寂しいので無理矢理抱っこすると、かえって迷惑そうな顔をされます。
分離不安症は、人間の方が重症かもしれません。

山の家では定位置に収まってまったりしていることが多い。
山の家では定位置に収まってまったりしていることが多い。
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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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