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シカの角を探しに入った山の中で、発見した超・意外なモノとは

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。 前回、シカの角探しのネイチャーツアーに申し込んだことをお伝えしました。 今回は、その結果報告です!

愛犬の嗅覚を頼りに、シカ角を求めて道なき道に踏み入った

2021年5月末の某日。
富士山麓での様々な自然遊びを企画している、山中湖村のTHE HIGHEST PEAK主催“鹿角採取ツアー”に参加しました。
森林ガイドの的確な案内のもと山中を歩き、ワンコの鋭い嗅覚によってシカの角や小動物の骨といった野生の痕跡を探す、とても魅力的なツアーです。

さて、はじめにお願いがあります。
今回のコラムは是非、寛大な心をもって読むようにしてください。
だって我が家の民、アラフィフの僕も妻も中一の娘も東京生まれ東京育ち。こういうのってきっと、生育環境によって培われた野性の勘がモノを言うのだと思いますが、あいにく一家揃ってそんなもの持ち合わせておりません。

佐藤家唯一の戦力は、愛犬クウです。
トイプードルを父に、ヨークシャテリアを母に持つクウさんは、見た目こそフワモコの愛玩犬そのものですが、なかなか活動的で鋭敏な犬なのです。
それにプードルという犬種はもともと鳥獣猟犬だし、ヨークシャテリアだって家屋のネズミを捕まえる役割を担った狩猟犬。
まあクウさんは埼玉生まれ東京育ちの都会っ子ではありますが、犬なんだから血統に裏打ちされた本能をきっと発揮してくれるはず、いや、発揮してくれなきゃ困るのです。

キリッ。
キリッ。

などと、ダメだったときの全責任をあらかじめ犬に転嫁しつつ、生まれも育ちも山中湖村で狩猟もしているという正真正銘の野性派ガイド、THE HIGHEST PEAKの大森さん(愛称「うたえもん」)に連れられ、道なき道へと進撃しました。

今回のツアー御一行は、我が家の3人を含む人間×8と6頭の犬。そしてガイドのうたえもんさんです。

イヌとヒトのペアで山へ入っていく。
イヌとヒトのペアで山へ入っていく。

素人は絶対に踏み入らないヤバそうな領域へ、うたえもんさんは平然とした顔でズイズイ導きます。
我が家の庭もシカが頻繁に通る獣道ですが、山中の獣道は濃度が格段に違います。
強い獣臭が漂う場所もあり、シカの群れが昨夜寝床にしていたという解説に「なるほど」とうなずきます。
そして新しい足跡やフン、毛などが見つかるたび、いやが上にも期待感は高まっていきました。

シカが一夜を過ごしたあと。かなり濃厚な獣臭が漂っていた。
シカが一夜を過ごしたあと。かなり濃厚な獣臭が漂っていた。
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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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