よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。
東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家“山の家”を購入!
妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。
音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、
著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。
別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。
社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

前回は、シカの角探しのネイチャーツアーに参加した様子をレポートしました。
今回は、山の家から車で10分のところにある「陸上自衛隊北富士演習場」の楽しみ方を紹介します!

誰でも立ち入り可能な陸上自衛隊実弾演習場を、100倍楽しむ方法

自衛隊のガチな演習場なのに、一般人が立ち入りできる理由

人は誰しも、「毒に侵された苦しみの荒れ地を一人さすらいたい」、「V8エンジンを唸らせ、砂嵐吹きすさぶ大地をぶっ飛ばしたい」みたいなディストピア幻想に襲われることが、たまにあるじゃないですか?
長く続くコロナ禍のストレス蓄積によるものか、にわかにそんな気持ちになった僕は、願望を満たすべく行ってみることにしました。
山中湖村にある山のマイホームから車で10分。
我が心のウェイストランド、陸上自衛隊北富士演習場へ。

富士山のふもとには2つの広大な自衛隊演習場があります。
ひとつは富士山東麓とうろく、静岡県御殿場市・小山町・裾野市にまたがる東富士演習場。
そしてもうひとつが、北麓ほくろくの山梨県富士吉田市と山中湖村にまたがる北富士演習場です。
両者ともに陸上自衛隊と米軍海兵隊が共同使用している、大規模な実弾演習場。
山の家にいるとたまに、大きな音や地響きが伝わってくることがあり、はじめは雷か花火と勘違いしますが、家からほど近い北富士演習場で用いられている砲弾によるものなのです。

富士山の麓一体、帯状に茶色く見えるのが北富士演習場
富士山の麓一体、帯状に茶色く見えるのが北富士演習場

そんなやや物騒な現場は、自衛隊や米軍が訓練オフになる主に日曜日、地元住民に解放され、自由に立ち入ることができます。
演習場のある富士山の山麓地帯は、“入会地いりあいち”だからです。

入会地とは、古くから住民の共同利用権が認められている山林や原野のこと。
村や部落など中世の共同体住民や荘園の領民は、総有する一定の山林・原野・湖沼・河川などで、放牧・狩猟・漁労・果物やキノコ、山菜の採取・伐木ばつぼく採薪さいしんなどをおこなうことができたのだそうです。

その昔、おじいさんが柴刈りや竹取りに行った山も、おばあさんが洗濯したりXLサイズの桃を回収したりした川も、きっと当時の入会地だったのでしょう。
自衛隊や米軍が来るずっと前から存在する住民の慣習的権利は、今も尊重されているわけなのです。

微妙なのは僕のようなデュアルライフ民です。
入会いりあいはもともと、先祖代々その土地で暮らす人たち限定で認められた権利。
移動の激しい現代社会ではもはや、先祖代々かどうかはあまり問われないようですが、少なくてもその地域に居住している人のみが対象です。
住民票が東京にある我が家のような半端なデュアルライフ組に、その権利はありません。

が、ある手段をとれば、入会権いりあいけんのない一般の者も山に入ることができます。
入会地を管理している組合に申請し、“入山鑑札”というものを発行してもらえばいいのです。
富士登山をするときもこうした鑑札が必要なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

北富士演習場概略図(山梨県庁ホームページより)
北富士演習場概略図(山梨県庁ホームページより)
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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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