よみタイ

今どきデュアルライフを彩る優れもの。ハンモック、ホットサンドメーカー、オイルランタン

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

緊急事態宣言下のゴールデンウイークは、山の家でステイホームしました

4都府県で緊急事態宣言が発令されていたこのゴールデンウイーク。
我が家も計画していた旅行は取りやめ、おとなしく山の家でおこもり生活をすることにしました。
山梨県・山中湖村は、緊急事態宣言やまん延防止等重点地区の実施区域ではありません。でも、僕の基本的な生活拠点は東京。
こんなときばかり山梨県民の皮をかぶり、あちこち出歩くのは公序良俗に反すると考え、山の家でしっぽりステイホームすることにしたのです。

季節の巡りが東京より1ヶ月ほど遅い山中湖村も、木々の若葉が芽吹き、すっかり春めいてきました。
暖かくなってきた里山では、野鳥のさえずりがよく聞こえます。
特に“春告鳥はるつげどり”とも呼ばれるウグイスの声を聞くと、「ああ、本当にここも春本番なんだ」と感じます。

寒い季節は封印していた、国産手作りハンモックブランド・Hammock2000の“ワイドブラジリアンハンモック”をいそいそと取り出し、庭の木の間につるしました。鳥の声に耳を傾け、新緑を見ながらそよ吹く風を肌に感じ、暖かな日差しのなかハンモックでゆらゆら。
こうしてゆったりと春の一人時間を過ごしていると、ほかにはもう何もいらないんじゃないかと……。

ハンモックが気持ちいい季節になりました。
ハンモックが気持ちいい季節になりました。

な〜んて思いません!
そんな落ち着いた大人に憧れる気持ちもありますが、なんたって僕はまだ弱冠51歳。アラフィフの若輩者なので、何か活動していなければ気持ちが落ち着きません。
そして基本的に、“一人時間”というのが自分には向いていません。
いま巷ではにわかにソロキャンプなるものが流行っていますが、あれって絶対に超退屈で、頭がおかしくなってしまう予感がします。
古谷実のマンガ『グリーンヒル』で、ロンリーウルフに憧れる主人公の大学生・関口は、周囲の人が「マジでビックリするほどつまんねーぞ」と止めるのも聞かずソロツーリングに出かけます。
ところが、人気ひとけのない砂浜に腰をおろすと5分ほどでソワソワしはじめ、結局、知らない街の本屋で立ち読みしたりゲーセンに行ったりしてしまう。
あの感じ、すごくよくわかります。

ハンモックで一人ゆらゆらしていたらあっという間に退屈になってきた僕は、部屋から高倍率ズームレンズ搭載のデジカメを持ち出し、野鳥のフォトシューティングをはじめました。
撮ってはググって種類を調べ、また撮っては調べ。

我が家の庭にやってきた野鳥の皆さん。ホオジロ(左上)、アオジ(右上)、コゲラ。
我が家の庭にやってきた野鳥の皆さん。ホオジロ(左上)、アオジ(右上)、コゲラ。

あまり興味のなさそうな娘をつかまえて鳥の名前を無理やり教えたりしていたら、30分ほどは楽しく過ごせましたが、それも飽きてきたので、湖畔へピクニックをしに行くことにしました。
本連載で以前予告をしていた“湖畔でなんちゃって野点のだて”をいよいよ実行する時がきたのです。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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