2021.3.31
遅れて春がやってくる山中湖のほとりで、野点(のだて)をやりたいのだ!
1ヶ月近く山の家から遠ざかっているのには、深い理由がある
3月某日。
小学6年生の娘と、もうすぐ卒業式だねえという話をしていた流れで、
「じゃあそろそろ夜の校舎に忍び込んで、窓ガラスをたたき壊してきなよ」
と、パパちゃんジョークをかましたら、
「え……。なんでそんなことするの?」
とすごく悲しそうな顔をされてしまいました。
そこで、尾崎豊とその時代背景について説明しましたが、娘はたぶん20%くらいしか理解できなかったと思います。
いや。いまどきの小学生の間でも流行っている『うっせえわ』を引き合いに出さなかったら、理解度はもっと低かったに違いありません。
それにしても、くだらない大人のクソみたいな社会に抗う往年のユースカルチャーについて嬉々として語る父を、我が子はどう解釈したのか。ちょっと気になります。
東京・世田谷区と山梨県・山中湖村の二拠点で生活する我が家。
でもここ1ヶ月はまったく山の家に行かず、ずっと東京で生活しています。
娘の卒業・進学準備や、僕&妻の仕事が忙しいからなのですが、それ以前に、この時期はあまり行く気になれない理由があります。
彼岸もすぎ、東京は春本番。
明るく暖かな陽光が降りそそぎ、満開の桜や菜の花が目を楽しませてくれます。
一方、標高1000メートルの山中湖村は季節の巡りが東京より約1ヶ月遅く、3月下旬〜4月上旬は、感覚的に言えばまだ冬なのです。
花のツボミは固く閉じていて、あたり一面は枯れた景色です。日中の気温は徐々に上がりはじめていますが、夜間は氷点下になる日も多々。
この時期、東京から山中湖へ行くということは、春から冬へと季節を逆行するに等しく、その心理的抵抗感は意外と大きいのです。
山の家に行っていた2月下旬のある日、ガソリンスタンドでマイカーのタイヤをスタッドレスからノーマルへと交換してもらいました。
スタッフのおニイちゃんが「大丈夫すか? まだ早いすよ」と心配してくれたので、僕は東京にも家があるデュアルライフ組であり、おそらく4月まではこちらに来られないことを説明しました。
山中湖村では3月下旬でも、冬将軍の置きみやげのような大雪の降ることがあります。
昨年はまさにそうでした。
降りはじめたなと思ったらあっという間に積もり、あたり一面は白銀の世界に。
ご近所さんに聞いたところによると、3月のドカ雪はよくあることで、それがすっかりとけると、村にも本格的な春がやってくるのだそうです。
車がなければ生活できない山中湖村では、4月に入るまでスタッドレスタイヤを履いておく。これは鉄則です。