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野生のシカが爆発的に増えたから? やたら目につく自生スイセンの謎

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

不安な気持ちを抱える新入生の娘に捧げたい一休さんの言葉

4月上旬の某日。
“これから青春はじまります”というパステル調な空気に包まれながら、中学校入学の準備をしている娘を見ていると、ただただまぶしく、うらやましくてたまらない気分になってきます。
しかし当の娘はといえば、新しい学校、新しいクラス、新たな人間関係の中でどんなふうに振る舞えばいいのかといささか悩み、不安な気持ちを抱えているご様子。
そこで、
「そういうのは、とにかく初っぱなに一発かましたもん勝ちだから。ラップで自己紹介してみたらどう? 『Hey Yo What’s up Yo? あたしのあだ名はP子だYo!』みたいな感じで」
と下手な実演つきで提案してみたら、薄い引き笑いとともに一瞬で却下されました。

もちろん、そんなのはただのジョークです。
僕も中学生の頃は今の我が子と同様、人見知りの激しい引っ込み思案なプリティボーイでした。
初顔合わせの場で一発かまし、一気に注目を浴びた経験などまったくありません。

安い自己啓発系やスピリチュアル系の著者だったら、「そんな自分を変えてくれたのが部活の剣道だった」とか、「パンクロックに出会ってなかったら、今の私はなかったかもしれない」とか、「あの壺を買ってから、すべてが変わったのです」なんて書くのかもしれませんが、あいにく僕は根っからのアンチ・自己啓発派。
人間の本質なんて、そう簡単に変わるものではないと信じています。
だって現在の僕もあの頃とまるで変わらない、人見知りで引っ込み思案。
しかも全然プリティじゃない、コミュ障気味のサブカルオヤジになっているのですから。

娘よ。
残念ながら君のそのウジウジっとした性格は、一生変わらないよ。
己の経験を通して、父はよく知っているのだ。

その代わりというわけではありませんが、これからの新生活におびえる娘には、一休禅師の言葉を捧げました。
「大丈夫。心配するな。何とかなる。」
さすがだな〜、一休さんは。
あまりにも単純な言葉ですが、これはえげつないほど本質的な、真理・オブ・真理ではないかと思っています。

東京・原宿のとあるお寺に掲示されていた一休さんの言葉。
東京・原宿のとあるお寺に掲示されていた一休さんの言葉。

大丈夫。
心配するな。
何とかなる。
君の明日も将来も、この日本も世界も大丈夫。
きっと、何とかなるんだよ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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