よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

人生の大波小波を乗り越えられる“元気ソング”ベストテン

若い頃は、50歳の中年男なんて面の皮も腹の肉もブ厚くて、悩んだりすることもないんだろうと思っていた。
だけど実際その年になってみると、若い頃とあんまり変わらず、小さなことで落ち込んだりするものだ。
腹の肉ばかり厚くなったけど。

僕は恥ずかしながら、アップルのミュージックアプリで“Fine”というプレイリストをつくっている。気分が滅入っている時に聴く曲たちだ。青臭いと笑っていただいて構わない。

今回はそんな僕の元気ソングスの中から、こんな歌あんな歌10曲を晒してみます。

第10位 「Drive Me Down」ヴェルヴェット・クラッシュ
歌詞がどうのこうのではなく、青春まっただ中にいるような疾走感がひたすら爽快。細かいことなど忘れ、どこまでも走っていけそうな気になる。

第9位 「Krafty」ニュー・オーダー
長い活動歴を持つニュー・オーダーだが、2005年リリースの比較的新しい曲。いまの生活と世界を憂い、セカンドチャンスがほしいと訴えている内容なのに、妙に明るい曲調に救われる。

第8位 「Born Slippy Nuxx」アンダーワールド
クラフトワークやYMO、ディーヴォなど1980年代前半までの原初的なテクノは好きなんだけど、デトロイトテクノ以降、現代まで続くテクノ・エレクトロ系は好きではない。あまりにもドラッギーなサウンドだから、あんなのキマってなきゃ楽しいはずないだろと思ってしまうのだ。でもこの曲は別。アルコールさえ受け付けないアンチドラッグ体質の僕を、ナチュラルで良い気分にさせてくれる。

第7位 「Teenage Kicks」ジ・アンダートーンズ
北アイルランド出身のバンド、ジ・アンダートーンズが1979年にリリースした曲。10代男子のモヤモヤした恋心と衝動を描いた歌詞に今さら共感しようもないが、イントロからパンチがあって歯切れがよく、一瞬16歳くらいの気分に戻り、元気が湧いてくる。

第6位 「My Generation」ザ・フー
モッズの親玉ザ・フーが1965年に発表した、歴史に残る若者のアンセム。俺の世代の話をしているんだ、歳をとる前に死にてえよ、と繰り返すパンクの先取りのような過激な歌詞。世代的にはとっくに年寄り側になってしまったけど、気分はいつまでもキッズ側でいたいと思う。

第5位 「世界の真ん中」ザ・ブルーハーツ
ブルハの名曲は数あれど、一番好きなのはファーストアルバムに収められたこちら。初期パンクっぽいイントロのギターリフからかっこいい。高校時代、リアルタイムで聴いてガツンときた。世界に片隅なんかない。僕が今いる場所が世界の真ん中なんだ。そう言われてみりゃそうなんだよな。

第4位 「Surfin’Bird」ラモーンズ
ラモーンズが1977年にリリースしたカバーソング。元歌は、1963年にサーフィンバンドのザ・トラッシュメンが発表し、全米4位のヒットとなったパーティソングだ(実はその前年にリヴィングトンズというソウルグループがリリースした「パパ・ウム・モウ・モウ」が本当の元ネタ)。まったく意味なしの能天気な歌が最高。なんか人生、こんなんでいいのかも〜と思える。

上位3曲は、自分の中では鉄板の人生応援歌

第3位 「俺たちの明日」エレファントカシマシ
全歌詞に共感しまくりで、何も言うことがないほどの名曲。これぞまさに、おっさんのアンセム。もう若くはないんだと自覚するとちょっと寂しくなることもあるけど、さあ頑張ろうぜ! この空の下、いつかどでかい虹をかけようぜ!

第2位 「君が僕を知ってる」RCサクセション
♫今までしてきた 悪いことだけで〜♫ 冒頭の歌詞だけで、胸がギュッとつかまれる。相手に全幅の信頼を置く、珠玉のラブソング。タイトルをYouTubeで検索すると、キヨシローとチャボが草原で歌う1994年の映像が出てくる。これが最高なので、是非見てほしい。

第1位 「I Am The Resurrection」ザ・ストーンローゼズ
僕は邦楽ではRCサクセション、洋楽ではザ・ストーンローゼズが一番好きなんだけど、そのローゼズの中でも一番好きな曲。I Am The Resurrection=僕は復活。絶望して復活するとき、人は強くなるような気がする。後半のインスト部分も最高で、僕は本当にやばい気分の時は、(心の中で)正座してこの曲を最後まで聴き、復活するのです。

音楽なんて、聴き方・楽しみ方は十人十色。人によって感じ方もぜんぜん違うと思うけど、僕はこげな感じです。
最近はあいみょんも好きだけどね。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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