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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

水陸両用パンツと旅支度〜必要がなくても男には備えるべきものがある?

常に旅立てる準備はできている。
たとえ「明日までにアジスアベバへ行ってもらえませんか」という急な仕事の依頼があっても、5分以内に準備を整え、出発できる自信がある。

旅行カバンにパックしているわけではないけれど、これとあれとそれを持っていこうとすぐに思い浮かぶし、必需品は常に手が届くところに置いてある。
あとはトランクを引っ張り出して詰めるだけ。トランクをパタンと閉じ、鍵をカチャリとかけたら出発だ。

でも残念ながら、いままで生きてきて、そんなに慌てて旅立たなければならない急用ができたことは一度もない。
それでもシミュレーションは怠らない。いま電話が鳴り「すぐストックホルムに行ける人を探しているんですけど」という相談があるかもしれないからだ。

日本の蒸し暑い夏に最適なのは、水陸両用ショートパンツなのだ

そしてもうひとつ、夏になると準備を整えておくものがある。
汗ばむ季節になるとほぼ毎日短パン生活の僕は、さらに季節が進み盛夏になると、いつも水着を穿いている。最近はトレンドになっているので愛用者も多い、水陸両用のショートパンツだ。
水着として使えるということはつまり、速乾性に優れたさらっとした素材ということ。
たとえ水に入らなくても、蒸し暑い夏にはうってつけの快適素材なのだ。

水陸両用ショートパンツを穿いていると、物理面だけではなく心理面でも涼やかに過ごすことができる。
「いま履いているのは水着だ。なんならすぐに海やプールに飛び込むことができるんだぞ」と思うだけで、心に余裕が生まれるのだ。

旅行のシミュレーションと合わせたら最強だ。
荷物を詰めて5分後には家を出る。行き先はモルジブだ。
空港に向かう途中、スマホで水上コテージを予約しよう。水着はもう着ている、ビーサンも履いているし、サングラスもかけている。着いたらすぐ、海に飛び込むぞ。

……と思いながら、今日も自室でパソコンに向かい、黙々と仕事を進めるのだ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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