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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

これからの「サンダル」の話をしよう〜ご当地サンダルの時代が来るのか

梅雨の頃から夏の終わりまで、僕はあまり靴を履かなくなる。
もちろん、打ち合わせや取材がある日、それにちゃんとした店で食事する日なんかは履くけど、一人でひたすら原稿をまとめるだけという日は、Tシャツにショートパンツ、そして履物はサンダル一択だ。

要するに、平日でもだらっとしたリラックススタイルで仕事している。
……誠に申し訳ない。なんて、誰にともなく謝ってしまうのは、元サラリーマンの性か。

ずっとハワイアナスのビーチサンダルを愛用してきた。
一度だけ葉山のげんべいサンダルに浮気したことがあったが、やはりあの履き心地が忘れられず、ハワイアナスに戻った。
でも昨年の夏、僕はついにハワイアナスを卒業した。

それに代わる素晴らしいビーサンを発見したからだ。
その名も“ギョサン”。
夏休みに訪れた八丈島で買った。

ハワイアナスからギョサンへ。ギョサンからピピサンへ

ギョサンにもいくつか種類があるが、僕が買ったのはHealth印の樹脂製一体成型サンダル。奈良県の森川ゴム工業所というメーカーがつくったものだ。

ギョサンというのは小笠原諸島〜伊豆七島特有の呼び名だ。
ウィキペディアによると、小笠原諸島が日本に返還された1968年頃から漁師の間でこうしたサンダルが普及しはじめ、まもなく島内の一般住民も日常的に使用するようになり、ギョサンの愛称で呼ばれるようになった。2000年代前半には、嵐の大野智がテレビの企画で着用したことから、全国のダイバーショップで売られたりグアムに進出したりと、ちょっとしたブームになったそうだ。

僕はマリンスポーツの世界には疎いので、ギョサンブームのことは全然知らなかった。最近はブームも去り落ち着いているようだが、いまでも地元民の間での普及率はすごかった。

タイトな作りのギョサンは、ハワイアナス以上に足にフィットする。靴ズレ(サンダルズレ?)もまったくしない。だから去年の夏は、結局ずっとギョサンで過ごした。

ところが、である。
昨年末に旅行したタイのリゾート地、ピピ島のホテルの売店で、僕はまたしても素晴らしい地元サンダルと出会ってしまった。
ビーサンタイプではなく、よく言えばスポーツサンダル風、あるいはマーク・ザッカーバーグスタイル、悪く言えば便所つっかけタイプのサンダルだ。メーカー名は「FOOTNIKS」。
ググってみると、バンコクに本社があるメーカーだということがわかった。
勝手に“ピピサン”と名付けたこのサンダルは軽くて履きやすく、見た目はいい意味で超チープ。タイにいる間、ずっと履いていた。

今年の夏はどっちをメインにしようかと迷っている。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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