よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ショートパンツ〜グリズリー世代が履くべき短パンとは?

そろそろショートパンツが恋しい季節になってきた。
フリーランスの身の僕は、ちょっとでも夏の兆しが見えたらすぐショートパンツに切り替える。気がつけば、長いパンツを穿いたのって何日前だっけ? という状態になる。
子どもの頃に思い描いていた“渋い大人の男像”とはまるで違う49歳になっているが、そんなことで思い悩むフェーズはとっくに過ぎているので、毎日大いばりで短パンだ。

蒸し暑い日本の夏を快適に過ごすには、ショートパンツが最適であることは間違いない。
オリンピック後の日本経済がヤバイとかいろいろ言われているけど、いっそのことクールビズをもっと進めて、銀行員も政治家も夏はショートパンツでOKということにしちゃったら、経済効率も少し向上するのでは? 知らんけど。

ベリーベリーショートのパンツが引き起こす、あまりに情けない悲劇

男のショートパンツの丈にもトレンドがある。
ドメスティックなストリートスタイルの原点である1950年代の太陽族と1960年代のみゆき族が好んだバミューダパンツは、アメリカのアイビーリーガーの模倣だったので、膝上丈の結構な短さだった。
その後、トレンドは短くなったり長くなったりさらに短くなったりと細かく揺れ動き続け、ここ10年はタイトかつ短めが主流になっている。

特に5年前くらいからは短い方がよりオシャレという風潮も見られ、トレンドに敏感な人ほど、ベリーショート丈に果敢に挑戦していた。
中には「初期サザンオールスターズか!」と思うほどのベリーベリーショートを穿く人も。1970年代に流行したジョギングパンツほどの短さである。

でも僕は心中で、「さすがにそれはないだろ」と思っていた。
小学生のような物言いでたいへん恐縮だが、大人の男が、うっかりしたら横金がはみ出てしまうようなパンツを履くなんて、どうかしている。
実際、トレンドに敏感なオシャレさんほど、横金事故を起こしていたんじゃないかと思う。女性ウケもかなり悪かったようだ。

昨今のトレンドは少し丈の長さが戻り、膝上くらいになっているようだ。これはちょうどいい塩梅ではないかと思う。膝が隠れる長さだと足が短く見えるし、あんまり短いと気持ち悪いし、それに横金が……。

とはいえエッジーなトレンドとして、ワイドシルエットで膝下丈も良しとされているようだ。
でもこれも、かっこよく穿きこなすのはなかなか難しそうだぞ。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事