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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

すべてがあまりに懐かしい……確信犯のおじさん泣かせゲーム「198X」

小学生時代はゲーム&ウォッチをはじめとする携帯電子ゲームが大流行したし、駄菓子屋の店先に置いてあったアーケイドゲームのパックマンやドンキーコングは大人気だった。
中学生時代にファミコンが発売され、家庭用ゲーム機の進化とともに青春時代を歩んできたような世代だから、同世代の友にはいまだにゲームが大好きな人も多い。
でも僕自身はそこまで好きではなかった。

レンタルレコードを借りたり映画を観たりデートをしたり、バンド練習のためのスタジオ代を払ったり、CDやレコード、カセットテープ、マンガ、雑誌、洋服を買ったりするのが大変で、ゲーセンやゲーム機にまで予算が回らなかったという理由が大きいかもしれない。

就職してお金が自由に使えるようになってからは、一通り最新ゲーム機を買ったりしていたが、やはりハマるところまではいかなかった。
でも小学校高学年の娘には任天堂スイッチを買い与えているので、現在は一応、最新ゲームに触れられる環境ではある。

あの手この手の80年代ネタにどハマりで、子供とスイッチの取り合いになりそうな予感

で、久しぶりに「コレは!」と思うゲームのリリースの報に触れ、娘からスイッチを借りて自分用にダウンロードしてしまった。

スウェーデンの会社が開発したという「198X」というゲームだ。
タイトルからうかがえるように、1980年代をテーマにしたこのゲーム。
主人公が街のゲームセンターに入り、次々とアーケイドゲームをやるという設定で、プレイヤーは主人公目線でゲームをプレイしていく。

僕はまだはじめたばかりだけど、ストリートファイター風格闘ゲームに出てくる落書きだらけの地下鉄や街の風景、襲ってくるモヒカンハードコアパンクス風のチンピラ、宇宙空間での派手なシューティングゲームなどなど、とにかく設定やデザインが笑ってしまうくらいに80年代風。
赤いブルゾンを着た主人公も、「ビート・イット」や「スリラー」の頃のマイケル・ジャクソンを彷彿とさせる。

あえて音数を抑えた電子音のBGMや、ひたすら横にスクロールするだけの画面、ギザギザの目立つ粗い画面など芸はとことん細かい。
ローテクな80年代の雰囲気をコレでもかと醸し出していて、すべてのおじさんが興奮できるようなつくりになっているのだ。

先に進んだら、もっとあの手この手の懐かしネタが繰り出されるようだ。
コレはやばい。
しばらくは、子供とスイッチの取り合いになりそうだ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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