そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。
2020.2.26
すべてがあまりに懐かしい……確信犯のおじさん泣かせゲーム「198X」
小学生時代はゲーム&ウォッチをはじめとする携帯電子ゲームが大流行したし、駄菓子屋の店先に置いてあったアーケイドゲームのパックマンやドンキーコングは大人気だった。
中学生時代にファミコンが発売され、家庭用ゲーム機の進化とともに青春時代を歩んできたような世代だから、同世代の友にはいまだにゲームが大好きな人も多い。
でも僕自身はそこまで好きではなかった。
レンタルレコードを借りたり映画を観たりデートをしたり、バンド練習のためのスタジオ代を払ったり、CDやレコード、カセットテープ、マンガ、雑誌、洋服を買ったりするのが大変で、ゲーセンやゲーム機にまで予算が回らなかったという理由が大きいかもしれない。
就職してお金が自由に使えるようになってからは、一通り最新ゲーム機を買ったりしていたが、やはりハマるところまではいかなかった。
でも小学校高学年の娘には任天堂スイッチを買い与えているので、現在は一応、最新ゲームに触れられる環境ではある。
あの手この手の80年代ネタにどハマりで、子供とスイッチの取り合いになりそうな予感
で、久しぶりに「コレは!」と思うゲームのリリースの報に触れ、娘からスイッチを借りて自分用にダウンロードしてしまった。
スウェーデンの会社が開発したという「198X」というゲームだ。
タイトルからうかがえるように、1980年代をテーマにしたこのゲーム。
主人公が街のゲームセンターに入り、次々とアーケイドゲームをやるという設定で、プレイヤーは主人公目線でゲームをプレイしていく。
僕はまだはじめたばかりだけど、ストリートファイター風格闘ゲームに出てくる落書きだらけの地下鉄や街の風景、襲ってくるモヒカンハードコアパンクス風のチンピラ、宇宙空間での派手なシューティングゲームなどなど、とにかく設定やデザインが笑ってしまうくらいに80年代風。
赤いブルゾンを着た主人公も、「ビート・イット」や「スリラー」の頃のマイケル・ジャクソンを彷彿とさせる。
あえて音数を抑えた電子音のBGMや、ひたすら横にスクロールするだけの画面、ギザギザの目立つ粗い画面など芸はとことん細かい。
ローテクな80年代の雰囲気をコレでもかと醸し出していて、すべてのおじさんが興奮できるようなつくりになっているのだ。
先に進んだら、もっとあの手この手の懐かしネタが繰り出されるようだ。
コレはやばい。
しばらくは、子供とスイッチの取り合いになりそうだ。
