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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

息苦しくて連続着用できないN95マスクをコロナ&花粉対策に使う方法

新型コロナウイルスの脅威はいまだ収束の気配を見せず、それにインフルエンザシーズンでもあるのだが、電車に乗って車内を見渡してみると、そんなに誰も彼もがマスクをしているわけではないことに気づく。
ざっと見たところ、三人に一人くらいの割合だろうか。

マスクはウイルスを含んだ唾などの飛沫防止には一定の効果があるものの、ウイルス侵入に対する予防的効果は見込めず、それよりアルコール消毒やこまめな手洗いうがいを心がけた方がいいと、マスメディアが繰り返し伝えていることが大きいのかもしれない。

でもそれよりも大きな理由は、日本の風物詩でもあるプチパニックによるマスクの買い占めが発生し、非常に入手しづらくなっているということだ。

今回の新型コロナウイルスについては、細菌兵器かもしれないなんていうトンデモ論も囁かれている。
そんな説はフフンと鼻で笑うしかないが、花粉症の季節にピンポイントでこのマスク不足が起こったことについては、裏に何か大きな陰謀があるに違いないと踏んでいる。

ほんの少しの改造で密閉感はゆるみ、長い時間装着できるマスクになった

コロナパニックではなく、僕にとってはどちらかといえば花粉パニックである。

マスク探しに奔走した結果、「お一人様一点まで」としてわずかに店頭に並ぶマスクを買い集め、なんとか今月中は持ち堪える量を確保した。

でも花粉はその先が本番だ。コロナウイルスもこの先、もっと拡大するかもしれない。
政府は、今週中にマスク不足は解消すると言っているがどうなんだか。
もしも3月になっても4月になってもマスクが足りなかったら、……と思うといまから恐ろしい。

なんて言いつつ、まあ、本当にいざとなったらアレを出そうと思っている。
僕は防災グッズとして、以前から3M社のN95マスクを大量にストックしているのだ。

N95マスクは、普通の不織布マスクよりずっと生地の目が細かく、密閉性も高いプロユースの防塵マスク。
微細なウイルスの侵入はこれでも防ぎきれないというから、ウイルスってすげーと思うが、目下の敵は花粉だ。
N95マスクは0.3ミクロンの粒子を95%カットできるというのが基準で、主に2.5ミクロンの大きさのPM2.5対策に使われてきた。
スギ花粉は30〜40ミクロンもあるので、N95マスクなら何の問題もないのだ。

ちなみにインフルエンザやコロナなどのウイルスは0.1〜0.3ミクロン。
N95マスクはある程度有効だが絶対ではなく、5ミクロン以上の粒子じゃないと捕捉できない一般の不織布マスクでは全然無理ということがよくわかる。

ただしN95マスクは連続装用に向かない。
分厚い生地でできたカップ上のマスクが、顔にピッタリ密着する設計になっているので、息苦しくて30分が限界なのだ。
コロナよりも花粉に怯える僕は、非常用バッグの中から引っ張り出したN95マスクを、しばしの間ためつすがめつ……。
打開策を考えた。

N95は普通のマスクのような耳かけ式ではなく、長いゴム紐を2本平行に頭の後ろへ回して固定する形状。マスクをより強く顔に密着させるための仕様だ。
この形状こそが息苦しさの元凶。

だから、ゴム紐を真ん中でチョキンと切り、左右それぞれを上下で結んでみた。
こうすれば普通の耳かけタイプになり、密着性はやや弱まる。
試しに装着してみたら、オリジナルに比べてわずかに密閉感は損なわれるが、おかげで息苦しさはなくなった。

花粉にN95マスクを使うなんて元より大袈裟なのだから、このくらいのソフトな使い方がちょうどいい気がしている。
それよりも、N95マスクをした僕を見ると家族が怪訝な顔をするのが気になる。

君たちの分もちゃんと用意しているんだ。いつか感謝する日が来るかもしれないぞ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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