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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

誕生から55年の“バスケットピンポン”は今も最高の遊具なのだ

小学校時代の同級生から今でも、「昔、お前んちにあった小っちゃな卓球台。あれ、楽しかったよな」と言われることがある。

僕が生まれる前から、家には本物の4分の1ほどのサイズの卓球台があった。
両親はこの卓球台で遊ぶのが好きで、居間でよく夫婦対戦をしていた。
幼き頃の兄や僕は得点係をしたり、勝者に手作りのチャンピオンベルトを贈呈したりしていた。
やがて自分たちでも遊べる年齢になると、家に来た友達と卓球大会を開催していたのだ。良き思い出だ。

正式名称は「バスケットピンポン」というその小さな卓球台。実はまだ持っている。
子供の頃の実家にあったものはさすがに古くなって捨てたのだが、何年か前に年老いた父が、「あの卓球台って、まだ売ってるのかな?」と呟いたので、ネットで調べて購入した。

そしてしばらくは実家に置いていたものの、父も母も足腰が弱くなって全然やらなくなったので僕が引き取り、我が家に置いているというわけだ。

一般家庭でも邪魔にならず、スポーツ感覚とゲーム性を楽しめる絶妙の名機

バスケットピンポンは、1965年(昭和40年)に和歌山県の会社が開発した遊具。
普通の家庭でも楽しめる小ささながら、やってみるとちゃんとスポーツ感が味わえるのがミソで、ボールに回転をかけたり、ここぞという時にスマッシュを決めたりもできる。
恐らくこれ以上大きいと普通の家には置けないし、これより小さいとスポーツ感覚は味わえないのだろう。
まさに絶妙なサイズなのだ。

そしてその名の通り、それぞれのコートにバスケットゴール状の小さな穴が施されている。
公式ルールに則れば、相手コートの穴にダイレクトでボールを入れれば、一挙に2点を得られる。
でも、穴はコートのギリギリ端っこにあるので、無闇に狙うとアウトになる可能性が高く難しい。このゲーム性が実に楽しいのだ。

バスケットピンポンは、台と脚部がセパレート式で、各々を折りたたむことができる。
つまり、使わない時はコンパクトにしまっておけるので、狭い我が家でもまったく邪魔にはならない。

開発から55年も経過する遊具で、我が家では三代に渡って愛用するバスケットピンポン。
小学生時代の友人も珍しがっていたから、昔から知る人ぞ知る代物だったのだろうけど、とにかく一度でもやってみれば誰もがハマるはず。
ネットがなかったら、再会することもできなかったんだろうな。

掛け値なしのオススメ物件なので、是非、ゲットしてみてはどうだろうか。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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