よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

読書に興味がない小学生の我が子にKindleを与えたら激変した話

本や雑誌に携わる仕事をずっとしている両親のもとに生まれ、家には数えきれないほどたくさんの本があるというのに、小5の我が娘があまりにも本を読まない。
本屋に連れていってもボーッとしていて、つい最近になってやっと「そういえばパパって、なぜか本だけはどんどん買ってもいいって言うね。なんで?」と、気づいたほどだ。

自分が本好きになった原点は小学生のときに読み漁った漫画なので、子供にも漫画でいいからたくさん読んでほしいと願うのだが、それさえも積極的に手にすることはない。
暇さえあれば親にiPhoneかiPadを貸してくれとねだり、ゲームをやったりYouTubeやAmazon Prime Videoにアクセスしたりしている。
今どきの子はみんなそんなものなのかもしれないけど、それにしてもやっぱり我が家に生まれてきたからには、出版文化にもっと触れてほしいと願ってしまう。

ところで僕は、本であれば紙だろうと電子だろうと構わずに読む。
電子書籍を読む際に使っているのは、Kindle Voyage。確か5〜6年前に発売されたKindle Paperwhiteの上位機種で、Paperwhiteと同様の電子インクを採用した白黒ディスプレイのモデルだ。

Kindleで買ったコンテンツは、同一アカウントでログインすれば他のメディアからも閲覧できるから、iPhoneやiPadで読むこともあるけれど、腰を据えて長時間読むときには、ブルーライトが出なくて目に優しい電子インクのモデルに限る。

ブルーライトがでない電子インクのKindleなら、小学生に与えても安心

子供にiPhoneやiPadをあまり使わせたくない理由も実はそこだ。
ブルーライトは刺激が強く、視力を弱らせたり生活リズムを狂わせたりする要因になりかねない。
だから、いくらスマートフォンやタブレットがデフォルトの時代に生まれた子でも、使う時間は厳しめに制限したいと思うのが親の常。

もっともっとと望む子から、「はい、今日はもう終わりー」とスマホを取り上げる作業は毎日骨が折れるのだ。
そこで先日、Kindle Voyageを買う前に使っていて、今ではお役御免で引き出しの奥に仕舞い込んでいた型落ちのKindle Paperwhiteを、「これだったらいくらでも使ってもいいぞ」とスマホ代わりに与えてみた。

すると……。なんということでしょう!
本にほとんど興味を示さなかった我が子が、目を輝かせてKindleに飛びつき、アニメを見てファンになった『鬼滅の刃』の漫画を、時間を忘れてどんどんどんどん読むようになったのだ。

曰く、紙の本は両手で支えるが大変だけど、Kindleだと片手で使えるし、手を離してテーブルに置いても読めるから楽。それに絵や文字が綺麗だから、どんどん読みたくなると。
漫画楽しい! 大好き! もっとよみタイ! と急に変わり、外出するときにも必ずKindleを携え、ちょっと時間ができると取り出して読むほどになった。

スマホネイティブって、そういうことなのね……。紙の本は扱いにくいから反応が鈍かったんだ……。びっくり。
でもまあ、全然ありだと思います!

父は最近、読み逃していた『JIN―仁―』をKindleで全巻一気買いして読んでいる。
おやおや?
『鬼滅の刃』も『JIN―仁―』も、このコラムが掲載されているウェブメディア「よみタイ」を運営している集英社の漫画ではありませんか。
まったく忖度ではありません。
偶然、偶然。ジャンプ万歳!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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