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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

日野日出志の絵本『ようかい でるでるばあ‼︎』をアマゾンで買ったらヤバイことに気づいた

日野日出志をご存知だろうか?
独特のタッチと世界観で知られる、怪奇漫画界の重鎮である。

僕は小学生の頃、『蔵六の奇病』や『地獄の子守唄』といった氏の漫画を読んでしまい、超ヘビー級のインパクトを受けた。
1970〜80年代に小学生だった同世代には、同じ経験を持つ人も多いだろう。

日野日出志の漫画は特に絵が強烈。
よくもまあこんなに気持ち悪い絵が描けるものだと思ってしまう。それに叙情的でありながら絶望的に暗く、救いのないストーリーは、子供を本気で鬱にさせる力があった。

小学生の僕は、怖いもの見たさで日野日出志の漫画を読みあさりながら、いつも激しく怯えていた。
3歳年上の兄はそんな僕を面白がって、トイレで用を足しているとドアの隙間から一番怖いページを開いて差し込んだりしてきた。

もうとにかく、トラウマだったのである。

日野日出志の過去の著作が、なんと無料読み放題に‼︎

最近、そんな日野日出志が新刊を発表した。漫画家としてではなく絵描きとして『ようかい でるでるばあ!!』という本に描きおろしの絵を提供したのである(ストーリーは別の作者)。

怖い、嫌だ、嫌だと言いながら実は大ファンで、日野日出志のLINEスタンプまで買っている僕は、さっそく注文した。
ストーリーも絵も可愛らしく、ほのぼのとしたとてもいい絵本だった。

それはいいんだけど……。

アマゾンでこの絵本を注文した際に、すごいことに気づいてしまった。
日野日出志の過去の著作が大量にKindle Unlimited、つまり無料読み放題となっているのだ。

これはたいへん危険なことだ。
さっそく数点をダウンロードしてしまい、読みはじめている。
ヤバいよヤバいよ……。
ああ怖い、気持ち悪いよ〜。
日野日出志の往年の作品は、50歳の大人も十分鬱にさせる力を持っている。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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