2024.2.9
2025年に太陽フレアはピークを迎える!? 「宇宙天気」を知っていますか?【前編】
記事が続きます
時系列が前後しますが、他にも2017年に発生した大規模フレアでは、その放射物による影響からGPS衛星の精度劣化、90分に及ぶ南米での航空機との通信途絶、ハリケーン被害のあったカリブ海の救援作業中の無線通信の障害なども発生しています。こういった被害を受けて、宇宙天気への注目度は高まっていきました。
そして、現状把握や予測などを行う「宇宙天気予報」が国を上げて強化され始めました。具体的には24時間の宇宙天気の監視体制や、AIを導入した予測の強化などが進み始めます。
ちなみに2017年のこのフレア発生のタイミングで、私はちょうど北海道で開催されていた日本天文学会にて参加したですが、いつもなら“ぼちぼち”の注目度であるフレア研究への注目度が一気に上がった実感がありました。私もフレア関連の研究論文を発表するなどこの分野に携わっていたので、実被害に恐ろしさを感じつつも注目度の高まりには研究者として少し気持ちが高揚しました。
この時も、太陽の活動性から昨年の12月のように「北海道でオーロラが見えるのでは?」と会場では期待されていましたが、残念ながら発生しませんでした。オーロラも宇宙天気に含まれる現象の一つ。紀元前からの記録の歴史も連載第2回の記事でチェックしてみてくださいね。
これらの事例をまとめてみると、太陽からの影響はイラストのような状態になります。私たちは太陽があるおかげで、地球上で快適な気候のもと生活できているわけですが、その一方で太陽が持つ危険性についても理解し、できる対策はしていかなければいけないと考えさせられます。
今回は宇宙天気の記事を前後編でお届けします。後編では、これから2025年をピークに上がっていく太陽の活動性とその危険性についてより詳しく触れながら、私たち個人はどういう対策をしていけばいいのかを紹介します。研究者としての経験があったから知り得たユニークなエピソードも紹介するので是非チェックしてくださいね。
愛知県長久手市のTotopia Breweryが手掛けるサワーIPA「シャインフォビア(Shinephobia)」。太陽をイメージさせるパッケージ、そして商品名は「Shinephobia (光源恐怖症)」。太陽の恐ろしい一面を伝える宇宙天気の記事にピッタリな商品名ですよね。南国フルーツのような酸味と爽やかさが特徴的で、そこに苦味も感じられます。ゆっくりと味わって飲みたいビールです。
記事が続きます
次回連載第8回は2月23日(金)公開予定です。
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