2021.3.28
致死率ほぼ100%! イヌだけじゃない、ネコもヒトも感染する「狂犬病」感染の恐怖
感染を拡大させないために大切なこと
ですから私は、野良猫をはじめとする、野生動物には絶対素手では接触しません。
仕事柄、飼い主の不明の動物の保護や死骸の運搬・回収を引き受けることもありますが、経歴のわからない野外の動物に直接触れざるを得ない時は、その見た目や種類に関わらず、必ず手袋をして、長袖を着るなど極力肌の露出を控えます。
もし自分の子供が散歩中にネコを見つけて、触りそうになったら、注意して止めさせ、ネコを追いやります。
ここでお伝えしたいのは、動物を愛することと、動物と無防備に接触することは決してイコールではないということです。
かわいいから、あるいは、かわいそうだからと、むやみに生き物を撫でたり、抱きしめたりした結果、自分が媒介者となって、多くの動物や人間の命を脅かす危険があります。
実は私も幼いころ、捨てられたであろうインコを連れ帰ったことがあります。
しかし、そのインコは人獣共通感染症のオウム病にかかって遺棄されたもので、すぐ死亡しました。あやうく、私だけでなく私の家族にも迷惑をかけるところだったので自分の無知と浅はかさを子供ながらに深く反省したのでした。
すべての動物を愛するからこそ、適切な距離感や対策が必要なのです。
同じ人間同士でも愛の形は様々なのに、別種の動物に対して人間の価値観にもとづく“愛し方”を押し付けてどうするの!? と、私は常々思っています。
新型コロナウイルスも、もともとは野生動物由来とされています。
そのコロナ禍で人と人の接触が見直されている今こそ、動物との付き合い方についてもぜひ考えていただきたいものです。