2026.6.17
シニア犬でも元気だったコーダが、まさかの癌⁉ 【サーフィン犬 コーダが教えてくれたこと 第8回】
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4時間に及ぶ大手術を乗り越えた、ふたりの約束
結局、私は、手術をしてコーダの体にある腫瘍を取りのぞくという選択をし、手術は2024年4月25日に決まりました。一度に腹部と肺の手術はできないので、まずは最優先の腹部から行います。手術の前日、私は妹と二人でコーダ応援グッズのウェブショップ「Coda’s Surfdog Shop」をオープンさせました。窮余の一策でしたが、これまでInstagramでコーダを見て応援してくれていた方々が、手作りのコーダグッズを買ってくださり、何とか手術もすることができました。その温かい支援に本当に救われた思いがしています。

コーダを病院に預けた後、手術当日はできるだけ普通に過ごそうと、友人と山にたけのこ採りに出かけました。不安なことを何も考えたくなかったのです。でも水も飲まずに暑い中やり過ぎて1時間にたけのこをひとりで30本以上堀り、熱中症寸前でめまいを起こし嘔吐・下痢をしてしまい真っ青な顔で家に帰りました。夕方4時から開始したコーダの手術は、7時を過ぎても何の連絡もなく、代わりに、立ち合いで入ってくださっていたかかりつけの動物病院の先生から「腹部は無事に終わって、これからお尻の方をやるみたい。麻酔もうまくかかっていて、大丈夫そうですよ」と連絡がありました。夜8時ごろにやっとがんセンターから連絡があり、手術は成功でした。
手術の翌日、昼食を食べていた時にがんセンターから着信があり、「コーダが目を覚まして暴れているからすぐに迎えに来て欲しい」とのことでした。麻酔から覚めたコーダは、鳴き叫び続けて、ご飯も食べず夜も寝なかったため今日退院させますとのこと。トレーニングによって解消されていたコーダの分離不安や問題行動が、苦手な病院にいることで再び発動してしまったようで、なんと大手術からたったの1泊で帰って来られることになったのです。

診察室から術後服を着てハーネスをつけたコーダが全力で看護師さんを引っ張りながらこちらに走って来ようとしています。その瞬間は何でそんなに元気なのか驚きましたが、私に会えて安心したのか、医師の説明を聞いている間は泥のように眠っていました。帰る時もしっかりとした足取りでササッと出口に歩いて行ったコーダでしたが、家に連れて帰ってきた途端、全然歩けないし立てないしで、ふらふらと寝てしまいます。食べ物も食べられません。お腹には縦に30センチほどの大きな手術痕もあって、大変な手術に耐えたことを思うと無理もありません。
翌日からペースト状のフードを試したり、いろんな種類のウェットフードを食べさせてみたりしながら、コーダは劇的なスピードで回復していきました。手術から3日目でボール遊びをしたがり、4日でパルクールを見せてくれました。8日目でスケボーも復活し、体力を取り戻していくコーダ。しばらくして傷も塞がり、海散歩解禁、術後1ヶ月ほどでサーフィンもOKになりました。

手術前に約束にした、「また一緒にサーフィンいこうね」がかなった日――。
コーダは、ウェットスーツとライフジャケットを着て笑顔でくるくる回り、飛び跳ねながら、サーフボードを頭にのせて運ぶ私と一緒に海に入っていきます。コーダにとっては久しぶりのサーフィンでしたが、やはり上手く、そしてあんな大手術をした12歳の犬とは思えない体力で最高の1日になりました。やっぱり、コーダと私は海が大好き! タンデムサーフィン最高。
スケボーでは思いがけずだったけど、ギネス世界記録を達成した。絶対に無理だと思っていたコーダとの海外遠征もできたし、あんなに難しいと思っていた検疫もクリアしたよね。「でも、まだかなえていないことあるよね。ずっとずっと憧れていて、踏み出せなかったことやってみようよ」――癌から立ち直り体力が劇的に回復したコーダが、私にこう言っているように思えたのです。
ドッグサーフィン世界大会。今ならまだ申し込みも飛行機のチケットも間に合う。検疫の書類も、一度取得すれば1年間有効だからまだ使える。
コーダと私の次の行き先は、8月にアメリカ・サンフランシスコのパシフィカビーチ。
コーダの命はもうすぐ終わっちゃうかもしれない。でも、人は(そしてきっと犬も)死を目前にした時にこそ成長できるというから、来世じゃなくて今生でやろう。コーダ、私と一緒にドッグサーフィン世界大会に挑戦しようよ。
「いっしょに、めいっぱい、生きていこう」。

【ドッグトレーナー浅野のWANコラム-8-】
動物病院とどうつきあう?
前提として、私の専門はドッグトレーニングであり、動物病院に詳しいというわけではありません。そのため、どの病院が良いとか、この病気にはここが強いといったことはわかりません。でも、動物病院は、大切な我が子である愛犬の命に関わることをお任せする場所。「近いから」「安いから」「空いてるから」……など安易に選ぶことはおすすめできません。
例えば、ワクチンや狂犬病予防注射を接種するのでも、アナフィラキシーになっていないか確認をしてから家に帰す病院もあれば、打ったらすぐ診察終わりの病院もあります。医療においては、インフォームドコンセントのプロセスがありますが、それは動物においても同様に、医療行為(検査や治療など)を受ける前に、医師から病名、治療内容、予測される効果、リスク、代替案について十分な説明を受け、患者(動物の場合は飼い主)がそれを正しく理解した上で、自らの意思で同意、選択したい。だから、気になることや分からないことは遠慮せずに質問して、ちゃんとそれに応えて納得のいく説明してくれる病院を選んでほしいと思います。また、ひとつの病院に固執する必要もありません。病院は行きつけ、セカンド、サードオピニオン……と頼れるところをいくつか持っておくと、複数の見解を得られます。動物は人間の言葉を話せない分、飼い主が頼れる存在でいなくてはなりません。自戒を込めていつもそうお話するようにしています。
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次回、連載第9回は7/15(水)公開予定です
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