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他人のことを散々ネタにしてきた山下素童ってどんな人?? ゴールデン街で出会った48人に聞きました!

新進気鋭の風俗ライターとして、タモリ倶楽部にも出演した山下素童さん。その類まれな観察眼と描写力から生まれる文章の熱狂的なファンは多いです。
そんな山下さんの初連載の舞台は、いま新しいお店・若いお客さんが増えているという「新宿ゴールデン街」。

前回は、お店にやってきた地下アイドルとの衝撃のエピソードでした。
今回は、最終回直前の特別編。山下さんが出会ったゴールデン街の住人たちに、ずばり「山下素童ってどんな人?」か聞きました。

連載の待望の書籍化!

7/26(水)、山下素童さんによる本連載『シン・ゴールデン街物語』が書籍化された『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』が集英社より発売されることになりました。本連載の記事3篇を加筆修正したものと、書き下ろしの私小説1篇が収録されています。

山下素童さんはその本の序文の中で、新宿ゴールデン街のことを「互いのことを進んで消費し合いながらお酒を飲む人たちが集う、小さな飲み屋街」と表現しています。

その言葉通り、ゴールデン街のプチ文壇バー「月に吠える」で週1で店番として働きながら、新宿ゴールデン街で出会った方々のことを散々ネタにして文章を書いてきた山下素童さん。他人のことは文章に書く癖に、自分のことが他人に書かれることは一切ない山下素童さん自身は、一体どのような人物なのでしょうか。

連載の10回目となる今回は、これまで山下素童さんの文章のモデルになってきた方々や、ゴールデン街で働いている方々、山下素童さんとゴールデン街で一緒に酒を飲み交わしたことがある方々、計48名から山下素童さんがどんな人物なのか自由に書いて頂きました。一切のNG無しで皆さんから頂いたコメントを、そのまま掲載いたします。

記事が続きます

山下は普通すぎて面白くないので恋愛対象には入らないですが、とても信頼しています。ゴールデン街のモルックチームの雑務(道具やスコアの管理、HPの運営など)を完璧にこなしてくれています。
思い出といえば、とある男性に言いがかりをつけられてしまい、ふたりで呼び出しをくらったことがありました。事が終わって新宿近辺を歩いている際、得意げに袖からボイスレコーダーを取り出した山下を見た時、初めてカッコいいと思いました。納得がいかないので、いつか山下の謝罪をアイツから取り返します。震えて待て!もし、スパイ活動をすることがあれば、山下をバディにしたいです。

──ふえこさん(『シン・ゴールデン街物語』第1話登場)

 ●

私の自主映画を観に大阪まで来てくださった時、ラブドールがお出迎えしてくれるシーシャバーにいったのが思い出です。アダルトなお店かと思いきや昭和ビンテージ臭のするおもちゃがあったりとても楽しかったです。ラブドール触れたのですが当然ながら、個体によって胸の硬さが違くて、興味深かった思い出。やはり女性より、男の人に触られた方が良いのかな、と思ったのですが、たしか素童さん触らなかったかと思ってます。素堂さんはラブドールと致した事はあんのかなあ、と妄念しつつ、お互いシーシャ初体験という事で甘いシーシャを楽しみました!

──米澤成美さん(『シン・ゴールデン街物語』第2話登場 / 役者・映画監督)

 ●

毎月イベントのような飲み会のようなものを一緒に主催する関係にいつのまにかなってしまったのですが、セックスのときにどんな声を出すのかは知らないので、彼がどういう人間なのかよくわからないです。聞いたことがある人は教えてください。

──二村ヒトシさん(『シン・ゴールデン街物語』第3話登場 / AV監督)

 ●

大人みたいな子供で、子供みたいな大人。そういう人だから書ける文章なんだろうなって思います。人の家でも気にせずベッドで大の字で寝れちゃう姿はちょっと子供みたいで可愛いと思ったけどやっぱり邪魔でした。

──古澤さん(『シン・ゴールデン街物語』第4話登場 / 風俗嬢)

 ●

山下君が初めてマチュカバーに来たのは多分一年くらい前でカウンターの右端に座ってて、最初はヒョウヒョウとしてるのか、オドオドしてるのかがよく分からなかった。顔の筋肉が最小限でしか動かなくて目もニヤケてるのか怒ってるのかも読みづらかった。でも、一言二言喋る度に言葉に応じてちゃんと顔の筋肉が比例して動く。嘘がない子だなぁ。口数少ないけど私の前では喋りたい事だけを喋ってくれてる様に思った。モテ男の色気はあるのに、ちょいちょい出てくる非モテ感。私、この生きもの好き!と思ったのが伝わったのか、よくお店に友達つれて来てくれる。嬉しい。勝手に思ってるんだけど、波長が合うというか彼の触覚は私のとも近く、同じ惑星の生きもの扱いさせていただいてます。山下くんは私にとってすごく居心地がいいので今度フリスビーでもしませんか。

──麻知子さん(『シン・ゴールデン街物語』第6話登場 / 『マチュカバー』オーナー)

 ●

素童さんの書く文章には風俗とかセックスとか性的なことに触れるものが多いけど、実際に彼と会うと「この人ってほんとにおちんちん付いてるのかな」って思うくらい、やらしいことをしてる姿が想像できないんですよね。だから、長年風俗嬢をやってきてそれなりに経験積んで来たつもりだけど、素童さんみたいなお客さんが来たら困っちゃう気がします(笑)
それくらい、性のにおいがしない感じ。だからモテるのかな。
ゴールデン街での日々、これからも楽しんでくださいね。
今度は私が泥酔してないときに飲みましょう~。

──彩さん(『シン・ゴールデン街物語』第7話登場 / 風俗嬢)

 ●

山下さんとは、よく”ごっこ遊び”をしました。各々オタク役とアイドル役になりきっての握手会ごっことか、風俗嬢役と客役でデリヘルごっことか、色んなパターンで遊んだことがあるけど、山下さんって何役をやっても上手い!キモさと可愛さのバランス感覚に長けている不思議な人です。
キモいオタク役は信じられないくらいキモくてしんどいのに、風俗嬢になりきるとほんとに可愛く見えてきて、これは風俗通いの経験の賜物なんだろうなって思うんだけど、驚くべきことにぬいぐるみに憑依して喋るのも妙に上手いんです。連載に書いてたシナモン役、あれはハマってましたね。 あのあと自分でシナモンの耳を持って自分の頬を叩いたりしてみたけど、あの時みたいなふわわ〜って感覚には2度と出会えませんでした。
てか私が捨て忘れたタンポン嗅いだの、連載の記事読んで初めて知ってドン引きしました。問い詰めたら、「フィクションだから〜」とか言ってたけど絶対に嗅いでますよね。キモすぎです、、、、!

──セナさん(『シン・ゴールデン街物語』第9話登場 / 地下アイドル)

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山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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