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他人のことを散々ネタにしてきた山下素童ってどんな人?? ゴールデン街で出会った48人に聞きました!

ピンサロ通いの本を出すなど、非モテキャラだった山下さんですが、ゴールデン街で店に立つようになると、むくむくと本領を発揮し、あっという間にモテ男になってしまったことは喪失感があります。まぁ、初対面のときから、女性に物怖じしない様子に「この人は別にモテないタイプではないのではないか?」という予想もあったのですが、これを言うと山下ファンに妙なマウントを取っているみたいなので、なかったことにしてください。
それと私のバーに前々から来てくださり、それはそれは大変ありがたいことなのですが、私のファンがすごいと若干の揶揄が入ったいじられた覚えが幾度とありました。しかし、これは店という構造がそうさせることを山下さんも実感していることでしょう。山下ファンも相当生まれ、もうお互い様ということで、こういったイジリ合い、ひいては足の引っ張り合いは、もうやめにしましょうと握手を交わしたい思いです。

──ツマミ具依さん(フリーライター / 思い出の抜け道「ONE CUT」水曜店番)

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ゴールデン街に行きつけがひとつしかなかったのが、二つに増えました。大体あの店に行く時はいろんな人を連れてきていて、時には店にそぐわないんじゃないか、と思えるほどうるさい派手髪のホストとか、お母さんとか連れて行っても暖かく迎え入れてくれます。いつもありがとう!
願うなら麦茶割りを導入してください。

──佐々木チワワさん(作家 / 『「ぴえん」という病』『歌舞伎町モラトリアム』)

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仕事に疲れたので30分ほどゴールデン街に滞在しようと思い寄ったところ、山下さんに遭遇し、気づいたら6時間経っていました。 お通しのインスタントラーメンを啜りながら、「向上心を持ち続けたいならここにいては駄目です。」とのんびりした様子で仰っていました。
山下さんは謎にさりげなく人の弱味を握っている(と思う)方で、共通の顔見知りの店員さんの裏アカに官能小説がある、という話を肴に飲みました。 「性交渉に至ったが彼女の膣はトランポリンになっていて挿入ができなかった」という内容でした。なんだか難しく考えず生きていいと教えていただけたような気がします。

──茅原クレセさん(漫画家 / 『ヒマチの嬢王』『星屑の王子様』)

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本当は気遣いができる優しい人なのに、あえてぶっきらぼうな人になろうとしているときがある。作家ですね。

──國友公司さん(作家 / 『ルポ西成』『ルポ路上生活』『ルポ歌舞伎町』)

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山下くんと初めて会ったきっかけは二村ヒトシさんからの紹介だったかな?彼が働くゴールデン街のお店に行ったんだと思います。なんか暗いような明るいような、空気を掴めない人間だなと思った覚えがあります。
でも気が付いたら最近あった大変なエピソードを彼に話していて、それを彼は肯定するわけでも否定するわけでもなく、ちょっとこちらを向いた通行人Aのような態度でずっと聞いてくれていました。それがなんだか心地よく、初めて会ったのに心を許した気がしてしまい、今では少し警戒してます(笑顔)。

──稲田万里さん(作家・占い師 / 『全部を賭けない恋がはじまれば』)

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百戦錬磨のおじさまに「セックスと気持ちは分かれていませんよ、セックスは気持ちがある人とするものですよ!」と言い放っているのを聞いて「これは元・素人童貞のセリフとしてかなり深いな」と思いました。
話は変わりますが同じページにサインを書く機会があったとき、私のスペースを空けようとして山下さんの名前がどんどん右斜めになっていきました。
ゴールデン街でお勧めのお店を聞いたときは毛色の違うお店を10軒ピックアップしてくれました。とにかく優しいんですよね。
「意外とピロートークはする」と聞いたとき、棒読み選手権があったら金メダルを取れる虚無トーンの「へぇ」を発したのにずっと優しいです。
でもナチュラルに上級モテムーブをかますのは腹立たしいのでさっさと女性に騙されてクタクタのボロ雑巾になってゴールデン街に埋まってほしいです。

──かとうゆうかさん(マダミス作家 / 『本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー』)

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羚羊(カモシカ)のような人。よって可愛げがあるのは絶対なる事実。スタイルの良さと頭髪の毛量も、その謎めいた獣のことを思わせる。
ゴールデン街にはわりと出没するので分布としての希少性は少ないが、精神的には非常に稀な人物で、天然記念物。臆病で、雲隠れが早い。好奇心が強く、人懐っこい一面もあるが、安心しているとたまに噛まれる。 思い出は古びそうなので、ここでは書きません。自分がいつか良い噺家(ハナシカ)になったら、また飲みましょう──と、思ってますが、その時には発見されない種族かもしれないので、寂しい、刹那的な何かがある気がしています。
総じて、青春を歩いているような人。あざとくと思いきや、いかにも自然な足取りで。蹄の音もなく、静かに。現れる時よりも、消えていく影が印象的。酒は、どうやら弱い。

──林家彦三さん(落語家・作家 / 『汀日記 若手はなしかの思索ノート』)

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山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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