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他人のことを散々ネタにしてきた山下素童ってどんな人?? ゴールデン街で出会った48人に聞きました!

とあるトークイベントで山下さんに公開恋愛相談をさせていただく場があり、 私は童貞の方がタイプだけど童貞の方にはモテませんという相談をしました。私はフェミニスト活動家だし見た目も強そうなので童貞には怖がられるのでは、という話になった際に、でも童貞のために服装は変えたくないしありのままを受け入れて欲しい、等と私が語っていたところ、そういう理想の童貞を追い求める私がまさに童貞マインドだという指摘を山下さんにいただいたのが印象的です。さすが素童という名前を名乗られているだけあって童貞についてのインサイトがすごいなと感心しました。また、フェミニストであることを活かして童貞にフェミニズムを教える会をやればいいのではという画期的な提案もいただいたので、童貞の方が集まると評判の山下さんのお店で興味を持ってくれる方を探したいと思っています。

──高島菜芭さん(性愛についてオープンに話せるセキララスナックを渋谷で開催)

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昔は「着きました。ここにいます。」と、地面の写真を送ってくるような捻くれ者だったのに、最近は当たり前のようにモテ男ムーブをかましてくる。ゴールデン街という土地は捻くれ素人童貞だった彼に” 余裕 ”という代物を授けたのだな、と、私の話を優しく聞いてくれる彼の丸メガネを見ながら思いました。油断していると急に火の玉ストレートが飛んで来たりもするけれど。

──よもぎちゃん(日本一高いレンタル彼女)

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朝方に突然呼び出して来てくださったのが出会い(今思えばまじですみません)。嬢としても飲み仲間としても安心できる存在です。これからも「月に吠える」でお会いしましょう。

──イヴさん(風俗嬢)

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Profile:
山下さん。IT系で働いている29歳。もの静か。身なりはいつもキレイにしていて、ゴールデン街にはどうも似合わない品のある香水の匂いがしている。 これが私から山下素童への第一印象。
彼は人を馬鹿にしない。少なくとも私はそうしているところを見たことがない。むしろ彼は、馬鹿にされた私になんでもないような顔で話してくれたことがある。
当時の私は、詩を書くことを辞めていた。正確には書けなくなっていた。事務所に私の書いた詩をだしたら「もっと直接的にエロいことを書いてほしい」と言われた。果たしてそれは詩なのか。少なくとも私の詩ではない。
そしてスランプみたいになったというただの愚痴を山下素童と名乗る真面目なのかふざけているのかわからない男に話すと彼は言った
「例えば絵ってさ、素人にはよくわからないじゃん。だから、すごいって言われてる絵はみんなすごいっていうんだよ。でも言葉は皆が使うから、みんな批判しやすいんだ。だから、文章を書く人以外の言葉は大して真に受けなくていいよ。」
私はそれを境に少しずつだが以前のようにとまでは行かないが、文章を書けるようになっていった。
私はよく照れ隠しで山下素童を馬鹿にする。 それでも彼は誰も馬鹿にしない。

──桜和ことこさん(AV女優)

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素人童貞ってなに
略して素童ってなんなの?
最初あんま喋んない変なやつと思ってたけど、 飲む回数重ねてくうちに意外ととっつきやすくて話しやすい男だって気づいた。 この男の名前を他の飲み屋で出すと、素童界隈の女性はみんな素童のこときいてくる。
なんか確かにモテてた。なんで? 自分が店番してる店のBGMより声が小さい男に何の魅力があるのか教えてよ素童ガールズたち。
こんなこと言ってるけど素童にはちゃんと人の心があってそこに私は助けられたし、 あんたの恋愛成就をドラマのリアルタイム感覚で追えてよかったわ。
素童ってやっぱ変なやつ〜

──KINGさん(バンドマネージャー)

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私から見た山下さんは、不思議が最も似合う人です。
私が「月に吠える」に通う曜日で飲んでいた時、初めて山下さんに会いました。前から知っておりどんな人だろうと興味を持っていたところに現れ、嬉しかったことを覚えています。二十歳の私にとってsnsのフォロワーが多い人と会うことは芸能人と会うくらいの出来事だからです。そこから話し山下さんの日に行くと約束して、帰りの電車で山下さんが書いた文章を読んだ時とても面白く衝撃を受けました。
そして山下さんがお店に立っている日に行った時、「月に吠える」とは別の場所に感じました。席が満席で立ち飲みしている人も多く、そして青春を男子校で過ごした私には女性客が隣の客と話しながらも山下さんに女の目を向けているように見え、カオスな空間でした。 何より驚いたのが山下さんが全然喋らないのです。私が知るバーテンダーとは違い人によっては接客が良くないと感じるのではないかと思いました。しかし実際は人気があり山下さんが書く文章は面白いのです。私は不思議に感じながら今も飲みに行ってます。

──トーマスさん(大学生)

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第一印象は「ぜんぜん会社の昼休みにピンクサロンに走り出しそうにないな」だった。 そもそもどんなに急いでいる時も走らなそうな人に見えた。カウンターの中の山下くんは、あまり喋らないし、氷が切れたらお客さんに買いに行かせるし(これはゴールデン街では普通のことと後から知った)、ファンの女子達に熱烈に話しかけられても動物園のサイみたいに微動だにしない。 でも、そんな寡黙&やる気の無さそうな雰囲気だからこそ、金曜日の「月に吠える」に集う人たちは、えげつない性体験やら、不毛な恋バナを好き勝手吐き出せているんだと思う。 山下くんの関心のなさそうな「あ、そうなんだ」という相槌が心地よくて、気づけば僕も、毎週のようにお店に通っている。 きっと彼は何を話しても忘れてくれるだろう、と思わせる安心感があったのだ。
けれども、何ヶ月か通ううちに「家から頻繁に締め出してくる彼女とはまだ一緒に住んでるの?」とか「シティヘヴンネットで調べまくってたS級しろうと娘は行ったの?」など、だいぶ前に話した、僕が記憶から抹消したいエピソードを具体的に再生してくるようになった。 しかも普段は真顔なくせに、恥ずかしい話の顛末を聞いてくるときに限って、ニヤニヤと「面白いおもちゃ見つけた!」みたいな顔で聞いてくるのだ。 泥酔した客の言動をきっちり観察して頭の中で記録しているんだな、と思った。 山下くんの文章も、他の書き手だったら「ここは恥ずかしいから消そう」と無意識にカットするであろう描写を鮮明に書き起こしている気がする。 女の子が捨てたタンポンを、鼻の先につけて嗅いだ話をわざわざ書くなんて、どうかしてると思う。 しかも文体が「さも当然のことですよ」という調子で、淡々としているのも怖い。面白いけど。
山下くんは自分自身のこと以外でも、人間が起こす少し変わった言動に強く興味があるのだろう。 そう思うと「月に吠える」という安全地帯だと思っていた場所が急に恐ろしくなった。
それでも毎週のルーティーンになっているので、通ってしまう。 山下くんに戦慄した翌週も、後輩を連れて「月に吠える」に行った。 ゴールデン街にあまり行かない後輩は「山下さんにとって小峰さんはただの客なの?それとも友達?」と山下くんに問いかけた。 すると山下くんはすぐに「友達だよ」と言ってくれた。 普段から起きた出来事を淡々と書いてる山下くんが言うなら、僕たちはマジで友達なんだろうな〜とすごく嬉しくなって、その週も金宮のデカいボトルを入れてしまった。

↑ こういう自意識の強い客にも優しく接客してくれるので、とてもいい人だと思います。

──小峰克彦さん(映像プロデューサー)

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新刊紹介

山下素童

1992年生まれ。現在は無職。著書に『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』。

Twitter@sirotodotei

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